青木容疑者の犯行は「計画的」か

今月25日に長野県中野市で起きた殺人事件は、犯人の青木政憲容疑者(以下青木)の残虐性が表出した犯行だった。特に殺害された竹内靖子さん(70)は少なくとも数十カ所も刺された傷が残っており、青木の強い殺意が垣間見られる。

テレビの朝のワイドショーでは今朝(29日)になっても当件を扱っており、関心の高さがうかがわれる。少し観ていて気づいたのは、番組の司会者と出演者が「計画的犯行」という言葉を口にしていたことだ。どこまでのことを計画的というのか定かではないが、私には本質的に衝動的に動いた殺人事件に思えてならない。

計画的という意味は、青木がナイフを用意し、銃も撃てるようにしていたということのようだが、私には自宅にあった凶器を持ち出したというレベルにしか思えない。

「計画的」という言葉を使うとしたら、少なくとも人目のつかない場所で犯行を行って、誰によって殺害されたかを隠蔽しようとするだろうし、殺害後は遺体を隠すだろうかと思う。さらに警察官がパトカーで駆けつけたとき、計画性があったとしたら、すぐに銃撃したりするだろうか。私にしてみると、ここに「計画的」という言葉の意味は感じられない。

むしろ典型的な衝動的犯行と言えるのではないか。女性2人を殺害する時につかったナイフは自宅内であればすぐに手に取れるだろうし、銃もすでに弾が装填されていた可能性がある。だから「こいつら殺してやる」という衝動が先に湧き上がって青木を動かしのではないか。

計画していたとしたら、あまりにも無様で粗野な犯行といえる。いずれにしても厳粛に裁いてほしいと思う。