不自由な特派員

私はいまでも週に何回か、東京丸の内にある日本外国特派員協会のワークルームで原稿を書いている。ここには欧米の記者たちが出入りしており、多くが顔見知りである。

今日(19日)、ヨーロッパからきている特派員と廊下ですれ違ったとき、一昨日に五輪特派員としてロンドンから東京にきたばかりの記者の話をしてくれた。彼はこう言って苦笑いした。

「5月に2週間待機の免除が発表されたから、東京ではすぐに取材ができるはずだったのに、その記者は2週間ホテルから出られないって言うんだ。だからホテルの部屋でテレビカメラを回して中継していた。それだったら、ロンドンにいた方がよかったよ」

五輪が始まってからも自由に取材ができないとなると、東京にきた意味は半減してしまう。半減どころか、会社としても個人としても悔しさと怒りがこみあげてきて、五輪が始まる前から発散できないもやもやを持ち続けなくてはいけないだろう。

そんな時、「ルールを無視して自由に動き回る人がでてくるのではないか」と知人の特派員に訊くと、こう返してきた。

「ジャーナリストなので、行動力のある人が多いけれども、ほとんどの人が組織に所属しており、勝手にルールを破る人はまずいない。ルール違反は会社としても個人としてもマイナスだから」

いまでも五輪中止と申し立てている人たちがいるが、私はここまで来た以上、無観客で、粛々と開催してほしいと思っている。

いま行きたいところ

ハワイ州オアフ島ハナウマ湾

このところ国外にでていないだけでなく、東京に緊急事態宣言がでたこともあり、閉塞感が募っている。そんな時はハワイの綺麗なビーチに行きたいと思う。いまは画像だけでガマンするしかないが、コロナが明けたらぜひ行きたいと思っている。

決まらない米政府高官ポスト

米国のジョー・バイデン大統領が2021年1月20日に新政権を発足させてからすでに半年が経とうとしている。政権が交代するたびに首都ワシントンを中心に、連邦政府に勤務する多くの職員が入れ代わる。

連邦職員数は約9000人で、政権交代があっても約5000人は異動しない。だが約4000人は、政権交代のたびに異動する。

考えてみれば当たり前のことで、共和党政権時代にトランプ氏に仕えていた人たちは、民主党のバイデン政権になれば職場を離れる。これまでも政権交代のたびに職員の「大移動」が行われてきた。

4000人の内訳は次のようになっている。大統領が直接指名できる人たちが約500人。補佐官や報道官など、ホワイトハウスのスタッフが中心だ。そして日常業務を任されている管理職が約750人。さらに高官の下で仕事をする一般職員が約1500人(続きは・・・決まらない米政府高官ポスト)。

いまさらながらのワクチン:新型コロナ(44)

先週のニュースを持ち出して恐縮だが、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、「(6月のコロナ感染による)死亡者の99.2%はワクチン未接種の人たちでした。ですから(接種さえしていれば)防げたのです。(亡くなられたことは)大変悲しいことでした」と話し、いかにワクチン接種が重要であるかをあらためて強調した。

ただアメリカでも、ワクチン接種に積極的な人とそうでない人たちがいる。それは政治的な分極と関係があり、民主党支持者の93%がワクチン接種の推進派だが、共和党支持者の49%だけがワクチン支持者という数字がでている。

ワクチン接種は自分自身をコロナから守るだけでなく、家族を含めた他者を感染させないという意味でもたいへん重要である。あらためて、できるだけ全国民が接種することを望む。