日々感じる矛盾:新型コロナ(43)

今晩7時からの菅首相の記者会見をみた。滑舌の悪さを横に置いておくとしても、お世辞にも国民を納得させられるだけの言説になっていなかった。国家のリーダーとしてコロナをどう収束させるかの確固たる姿勢も、具体的な方策も示せていなかった。あらためて「この人が首相か、、、」とため息がでた。

同時に、悲観的にならざるを得ないのが、東京の新型コロナウイルスの感染者増である。連日、テレビニュースでは「先週の同じ曜日と比較して」という言葉をつけて数字を発表しているが、これが正確な比較になっていないことは多くの方も感じていることだろう。

というのも、PCR検査数が前週とまったく同じであれば問題ないが、分母が毎日のように違うなかでの比較は正確さを保てるわけがないのだ。東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」をみると、このところPCR検査数は連日7000人台であるが、まったく同じ数という日はない。少しずつ増減がある。

感染者数を発表する時に、「何人にPCRを行い、そのうちの800人が感染し、今日の陽性率は何々%です」という発表方法が妥当だと考えるが、感染者数だけを取り出して「先週の同じ曜日と比較して」といわれても「ハー?」と言わざるをえない。

さらに東京だけでなく、日本の日々のPCR検査数が少なすぎると考える。たとえばニューヨーク州の検査数は今年1月、2月など毎日約25万だった。春になって感染者がへったので、1日約10万になったが、7月に入ってもまだ5万前後で推移している。東京の1日約7000人とではケタが違う。ニューヨーク州の人口の方が東京都よりも500万以上多いことを考慮しても、東京都の検査数は少なすぎる。

これまでのコロナ感染者や死亡者数を眺めると、アメリカは何も誇れるものはないのだが、最近はワクチン接種が進んだこともあり、感染者数が格段に減った。

たとえば7月6日のニューヨーク州のPCR検査数は5万1237。感染者数は486人。陽性率は0.9%まで落ちている。一方の東京都は同日のPCR検査数が7892。感染者数は569人で、陽性率は6.0%。

東京は検査数が少ないため、感染者数が長い間、低く抑えられてきた。同日、仮に10万件の検査をした場合、東京都の感染者は単純計算で6000人ということになる。

東京都であれば1日10万の検査体制をとれるはずである。それだけの数をこなさないのは、感染者数を低く保つためと思われても仕方がないだろう。東京都は何かを恐れているのか。

ここまできたネット翻訳

インターネット上での自動翻訳機能が使えるようになってからずいぶん月日が経つ。言語数はすでに100を超えており、便利になったことは間違いない。もちろん無料である。

ただこれまで、私はネット翻訳には頼ってこなかった。くどいようで申し訳ないが、25年もアメリカにいたので「自分でさせていただきます」、「自分でやった方が勉強になりますから」という姿勢でいたからだ。

さらに、何度かネット翻訳を試みてみたものの、翻訳の完成度がお世辞にも仕事で使えるレベルに達していないこともあった。AIが導入されても、さまざまな文化を内包する形で発達してきた各々の言語を、的確に、さらに機械には推し量れないであろう言葉の機微を表現することは無理があると考えてきた。

しかし最近、たいへん上質なネット翻訳をするサイトもあることを知り驚いている。「DeepL(https://www.deepl.com/ja/translator)」という無料翻訳サイトは、私が知らなかっただけかもしれないが、これまでのどのサイトよりも質の高い翻訳を提供している。今日は少し長くなるが、例文もだして、複数の翻訳を比較してみたい。まず原文を記す(CNNから)。

While the US military will retain authority to carry out strikes against the Taliban in support of Afghan forces, as CNN reported on Friday, that authority does not necessarily extend to counter-terrorism operations in the country against those suspected of planning attacks against the US homeland or allies.

<グーグル翻訳>  CNNが金曜日に報じたように、米軍はアフガニスタン軍を支援するためにタリバンに対してストライキを実施する権限を保持するが、その権限は必ずしも米国本土に対する攻撃を計画している疑いのある人々に対する国内のテロ対策作戦にまで及ぶわけではない。または同盟国。

<エキサイト翻訳> 米国軍隊が、アフガニスタンの力を支持してタリバンに対してストを実行する権限を保有する間、CNNが金曜日を報告したように、その権限は、必ずしも、米国母国または同盟国への攻撃を計画すると疑われているそれらに対して国のカウンターテロ操作に拡張しない。

<Weblio翻訳>  米軍がアフガニスタン軍隊を支持してタリバンに対するストライキを行う権限を保持する間、CNNが金曜日に報告したように、その権限が米国祖国または同盟国への攻撃を予定する疑いがある人々に対して国でのテロ対策事業に必ずしも及ぶというわけではありません。

<DeepL翻訳>  金曜日にCNNが報じたように、米軍はアフガニスタン軍を支援してタリバンへの攻撃を行う権限を保持しているが、その権限は、米国本土や同盟国への攻撃を計画していると疑われる者に対する国内でのテロ対策活動には必ずしも及ばないという。

最初の3翻訳は、ほとんど理解できないほどの混迷をきたしている。不正確というより日本語として成立していない。「意味を汲んであげましょう」という姿勢で読まないといけない。しかし、最後のDeepLは翻訳として成立している。ここまできたということは、今後はさらに進化していくということでもある。

これからは頼ってしまうかも、、、。

独立記念日

7月4日はアメリカの独立記念日。しばらくアメリカには行っていませんが、懐かしい首都ワシントンの写真をつけます。

まだコロナ禍は終焉したわけではありませんが、市内ではパレードがあり、夜には花火が打ち上がるようです。

エゴサーチ(2)

いまでもたまにエゴサーチをする。4年前にも当欄で同じようなことを書いたが( エゴサーチ )、相変わらずネット上では私の知らないところで「堀田佳男」が持ち上げられ、けなされ、おちょくられている。インターネットの特性から、どうもがいても自分の力のおよばない領域があることはよく理解しているつもりだ。

いまだに1996年の大統領選で、結果予想を外して坊主になった時の写真がネット上で使われている。なかには「この写真は使い勝手がよさそう」とわざわざ述べて、私の坊主写真をSNSにアップしている方もいる。もちろん当方から許可を得ているわけではなく、「またやられた」といったところだ。

私にとっては痛打になっていないので、こちらから連絡を入れることはほとんどないが、事実に反することが書かれていたり、明らかに間違っていることが述べられていたら、連絡先を調べて「違います。何か言いたいことがあったら直接ワタシに言ってこい」と対応しようと思っている。だが、いまのところそうした事態には至っていない。