「Go To Travel」はトホホな英語

「旅行に行く」という日常的に使われる言葉をそのまま英語にした「Go To Travel」という言い回しは、残念ながらトホホな英語である。英米人が耳にすると「?」ということになる。

「Go To Travel」は観光庁が力を入れているキャンペーンであることはよくわかるし、意味もわかる。

しかし、日常的な英語表現に直すと「go on a trip」というべきで、「go to travel」どころか「 go on a travel」とも言わない。これはあまりにも決まりきった言い回しなので、英米人であれば間違う人はいない。

少し説明させていただくと、travelという単語は漠然とした「旅」という意味で、特定の「2泊3日の熱海温泉旅行」という時にはtripか journeyを使う。だからtravelという単語を使いたければ、「you can travel」というべきである。逆に「you can trip」とは言わない。

これは生活の中に入った表現なので、英米人であれば感覚的にわかっている。日本では単語そのものが日本語になってしまっているので、英語に置き換えるとおかしなことになる。ただ意味はわかるので、いま英米メディアでは「Japan’s Go To Travel Campaign」とカッコつきで使われている。