学者が予測する米大統領選の勝者とは

いよいよ米大統領選の投開票日が近づいてきた。当稿では選挙前の最後の勝者予測を記してみたい。

実は9月30日公開の当欄(「米大統領選徹底予測:バイデン勝利の信憑性は」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62302)でも、当選者の予測を行ったが、世論調査会社を中心にしたもの(7団体と1研究者)だったので、ここではもう少し別の角度から掘り下げてみたい。

大統領選の予測については、米国では学者の間で活発に議論され、多くの論文が出ている。政治学者だけでなく、経済学者、統計学者などが学究的な観点から勝者の予測を行っている。

彼らの予測モデルでは現在誰を勝者としているのか、また各種世論調査に対する客観的判断、さらにこれまで高確率で当選者を予測してきた予測マーケットについても触れたい(続きは・・・学者が予測する米大統領選の勝者とは)。

バイデンを支える原動力:2020年大統領選(48)

トランプ氏とバイデン氏の戦いがこれだけ大きな話題になっている選挙であっても、なぜ有権者の65%ほどしか一票を入れないのだろうか。

投票しない人たちは政治に興味を抱かない(抱けない)か、積極的に投票行動を否定しているか、自分の一票では何も変わらないと考えているかなどさまざまだが、それでも3割以上の成人は投票しない。

アメリカのあるサイトに黒人男性(53)の興味深いインタビュー記事がでていた。その男性が前回、大統領選で投票したのは2008年だった。オバマ大統領が誕生した年である。同じ黒人男性として是非ともオバマ氏に当選してほしかったことから投票所に行ったという。ただオバマ再選の2012年には投票しなかった。

「別に私の一票がなくても再選すると考えていたので、わざわざ投票所には行かなかった」と述べている。中西部に住む民主党支持者であるこの男性は今年、12年ぶりに投票するという。

「バイデン氏の熱烈な支持者というわけではないのです。人種差別的な言動をするトランプ氏には耐えかねており、大統領として敬意をもてないからバイデン氏に投票するのです。もし今年バイデン氏が敗れたら、私は自分を責めると思います。『お前が投票しなかったから彼が負けたんだ』って」

この率直な思いは多くの有権者に共通する本音であるかと思う。民主党員だけでなく、有権者の4割にあたる無党派層の人たちにも通じる気持ちであろう。これが今年のバイデン氏を支える原動力になっている。

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