トンラプ大統領はいまだに自身が負けたことを認められずにいるようだ。敗北を喫した重要州では不正が行われたとして、トランプ陣営は30件以上の訴訟を起こしているが、そのほとんどで却下されるか敗北している。
というのも、不正の証拠を裁判所に提示できていないからだ。陰謀論は抜きにして、「不正があったのではないか」との疑念を抱くことは可能だが、トランプ陣営は明確な不正行為をつかめていないので、まともな裁判にならない。
トランプ陣営の弁護士の一人、シドニー・パウエル氏は米時間19日、証拠があると胸を張ったが、フォックス・ニュースの司会者タッカー・カールソン氏が証拠をもって番組に出演してほしいと依頼すると却下。示すものが何もないことを露呈させてしまった。
カールソン氏を含め、共和党系のフォックス・ニュースはずっとトランプ支持の報道姿勢を貫いてきたが、今回のトランプ陣営による動きに疑問を投げかけ、反トランプへと態度を変えた。味方からもソッポを向かれたことになる。
トランプ氏の側近として選挙中から大統領を支持してきた前ニュージャージー州知事のクリス・クリスティー氏もついに抵抗を諦めたようだ。22日の米ABCテレビに出演し、司会者のジョージ・ステファノプロス氏が「そろそろ終わりにすべき時ではないですか」と振ると「イエス」と即答。そしてこう述べたのだ。
「はっきり述べると、大統領の弁護士団がやっていることは国家の恥です」
クリスティー氏はトランプ氏のそばにずっと寄り添い、支えてきた人である。つい先日まで一緒に闘ってきた人物が、「抵抗」を終わりにすべきと言ったのだ。そして「国家の恥」発言である。
ちょうど10日前、当ブログで「トランプの白旗:2020年大統領選(52)」を書いたが、トランプ氏の白旗は意外に早いと読む。