投開票日が迫ってきた。これまで当欄でも記してきたとおり、私はバイデン氏が有利であると述べてきたし、いまも変わっていない。
最近、メディア番組に出演すると、4年前の「丸刈り」を蒸し返される。「ヒラリーさんが負けたら丸刈りにします」と宣言したので、その通りにしただけなのだが、いまでも多くの方にとっては突っ込みどころのようで、よくからかわれる。まあ、軽く受け流すことにしている。
異国の選挙がこれだけ騒ぎになるというのは、ある意味、羨ましくもあるし、アメリカ大統領の影響力の大きさを象徴してもいる。今日、バタバタといくつかの仕事をしている合間に、外国特派員協会の仕事仲間と大統領選で議論を交わした。
1人はトランプ氏が勝つ と述べ、もう1人はバイデン氏が勝つと言う。私もバイデンに一票という流れで、さまざまな角度からいかにも記者らしい話がでた。トランプ氏を推す記者はこう発言した。
「トランプは人間的には女たらしだし、脱税をしていた疑いも強いし、言動も好きになれないが、バイデンよりは少なくとも正直だ。自分のやりたいことがはっきりしていて、敵を作りもするが味方には優しい。民主党のエリート気取りの政治家よりずっといい。それに経済活動の重要性をよく認識している。バイデンとの比較だったら私はトランプを推す」
私はこう反論した。
「一国のトップを選ぶ選挙だ。しかもアメリカである。先進国家を代表するアメリカの代表に、マフィアの親分のような口汚い人間が就いていること自体あってはいけない。トランプはビジネスマンであって政治家ではない。カネよりも国家が、そして国民が必要としていることを遂行するのが真の政治家。また自分と立場の違う国民のことも考慮するのが気骨ある政治家だが、トランプには人間に大切な『配慮』というものが欠けている」
もう一人は私の意見に賛成で、3人とも自分たちの意見を譲ることがなかったので、最後は「賭ける?」ということになった。このあたりが外国人記者らしい流れかもしれないが、もちろん私は「坊主にする」とは言わなかった。選挙が終わったら、ゴハンを「ゴチ」し合うことになっている。