9月11日に選挙での重要人物(2):2020年大統領選(41)を書いたあと、少し時間が空いてしまった。今日は民主党ジョー・バイデン候補の選挙対策本部長について記したいと思う。
トランプの選対本部長のビル・スティーピエンと、ジョー・バイデンの選対本部長であるジェニファー・オマリー・ディロンの共通点は2人とも40代前半であること、選対本部長に抜擢されたのが今年になってからという点、さらに大学を卒業以来ずっと政治の世界に身を置いているということだ。
マサチューセッツ州に生まれたディロンはタフツ大学を卒業後すぐに政治の世界に飛び込んでいる。政治の世界といっても、自身が政治家になるために活動するのではなく、あくまで裏方に徹している。少なくとも現時点で、ディロンもスティーピエンも政治家になろうとの意思は見えない。
ディロンは過去20年ほど、さまざまな選挙にかかわってきた。2000年のアルバード・ゴア氏の大統領選、04年と08年にはジョン・エドワーズの大統領選など、全米トップの政治家のもとで選対副部長などの要職についてきた。だがディロンがサポートした候補の多くが選挙で負けている。この点が気にならなくもない。
08年、エドワーズが予備選で敗退したあと、ディロンはバラック・オバマの選対に加わり、勝利に貢献している。ディロンが選対本部長に採用された今春、各種世論調査の支持率ではすでにバイデンの方がトランプより上だったが、バイデン自身、組織力と集金力でトランプ選対に水をあけられていると感じていたと言われる。
そこでバイデンはデータを重んじ、「新しい組織のモデル」を目指すディロンを選対に引き入れたのだ。それが吉とでるか凶とでるかは1カ月半後にはわかる。(敬称略)