期日前投票:2020年大統領選(43)

11月3日の投票日が迫ってきている。州によっては期日前投票が始まっているところもあり、トランプ対バイデンの決戦はすでに開始されているといえる。

私は「イチオウ」大統領選をライフワークと言っているので、複数のメディアから出演依頼やコメントを求められているが、今年ばかりは混迷の度合いが深いので、これまでのように簡単に勝者予想を口にできない。

4年前、予想を外して坊主になったので、多くの人は冗談半分で「今年も外したら坊主になってください」と言うが、芸人であれば得点になるかもしれないが、ジャーナリストとしてはマイナス面の方が大きいので2度目の約束はしない。

2007年に帰国するまで住んでいたバージニア州では、投票日の45日前から期日前投票が始まっている。前回の2016年選挙よりもはるかに多くの有権者がすでに投票所に足を運んでいるのと同時に、郵便投票をする有権者も多い。これはコロナの影響からで、11月3日に密集した投票所に行くよりは、期日前のすいた日時を選んだ方が感染リスクが低くなるとの判断だ。

バージニア州の投票用紙(サンプル)
左下にトランプ、バイデンの名前が見える。またほとんど報道されていないリバタリアン党の候補ジョー・ジェンセンの名前もある。

バージニア州はかつて、南部州として共和党が奪っていたが、同州北部はいまや民主党支持者が多く住む地域となっており、トランプが今年同州で勝つことは難しい状況だ。バージニア州のスーザン・スウェッカー民主党委員長は書面でこう述べている。

「すでに何万という単位の人たちが期日前投票にきてくれていて、記録的な数字です。その勢いの中心になっているのが民主党支持者なのです。有権者はトランプに辟易していますし、政権のコロナ対策は失敗していると考えています」

トランプは自分が不利なものに難くせをつけることがあるので、郵便投票を「詐欺」と発言。11月3日にトランプ敗北の結果がでたとしても素直には認めず、駄々をこねくり回してすぐに負けを認めないかもしれない。(敬称略)