いまだ拡大の一途:新型コロナ(18)

新型コロナウイルスの新規感染者が「日本では」減少傾向にある。今日、近畿3府県の緊急事態宣言が解除された。東京を含めた5都道県も今月中に解除される見込みだ。

ただ油断は禁物だ。第二波の到来の可能性があるし、世界に眼をむけると、実は悲観的にならざるを得ない。国内ニュースを見ていると収束の流れにあるので安心しがちだが、昨日(20日)の世界での新規感染者数は過去最高を記録した。1日だけで10万6000人である。

当欄ではアメリカの感染者の話を書いてきた。すでに感染者総数は155万を超えたし、一昨日の感染者数も今でも2万人超である。日本は他国と比較すると、明らかに国民一人一人のウイルス防御の意識が高いのだろうと思う。

安倍政権に対する批判はいろいろあるが、市民レベルではマクス着用の徹底はもちろん、他者からの視線を感じることで自らを糺すという行為が無意識のうちに行われている。日本社会にあるピアプレッシャー(同調圧力)がいい方向に機能しているのだろうと思う。

ところがアメリカでは他者の目よりもあくまで自身に重点が置かれ、いまでもマスク着用は徹底されていない。トランプ大統領がマスクをしないのが好例であり、「他人がどう思おうが構わない」との意識が維持される。時にはこうした心持ちが斬新なアイデアの具現化につながったりするが、今回は「統一」が重要のはずである。

全世界の感染者数はいま500万を超えた。日本ではコロナは収まりつつあるが、世界では「まだまだこれから」であり、緊急事態宣言が解除された(される)からといって、気をゆるめるべきではない。

こういう日は花

連日、自宅で仕事をしているので、心の底に眼に見えない黒い塊ができているように感じる。少し体をゆすっても、ビールを飲んでも塊は失せない。

コロナは医療や経済、また多くの人の日常生活をピンチに追い込んでいるが、心に居すわる黒い塊の存在こそがもっとも大きな重しになっているように感じる。たぶんそれはコロナ騒動がおわっても、徐々にしか開放されていかない。

昨日、近所の商店街を歩いていて、よく行く花屋さんの旦那さんと眼があった。「今日のオススメはなんですか」と訊くと、「これですね」と指差したのがヒマワリだった。

こういう日は花がいいです。

いまだに減らない米感染者数:新型コロナ(17)

日本全国で新型コロナウイルスの新規感染者数が減ってきている。16日、全国の感染者は57人、東京都では11人だった。落ち着いてきてはいるが、国民一人一人が警戒を緩めるべきではないし、もしかしたら自分が無症候感染者として他者に感染させる可能性があると考えてしかるべきである。

上のグラフはアメリカの新型コロナの感染者数の推移を示したものだ。以前から当欄で掲載させていただいているもので、アメリカでも少しずつ減少してきているが、15日の感染者数はまだ2万5000を超えている。

日本では感染者の累計でさえ1万6000台なので、いかにアメリカの感染者が多いかがよくわかる。この数字を見る限り、アメリカが規制緩和をする段階ではないと思われるが、トランプ大統領はすでに「わが国は次のステージに」と述べて、緩和の方向に顔を向けている。

だが米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は規制緩和には慎重で、科学者らしい冷静な見解を述べる。

「市や州が早い時期に緩和に向けてのチェックポイントを飛び越えてしまうと、そのあとの反動に効果的に対応できないことがある。そうなると感染爆発につながりかねない」

だがトランプ氏はそれが気に入らない。「彼の返事には正直、驚いている。私にとっては、、、受け入れられない答えだ」

失業者が急増し、経済が低迷していることは誰もが分かっている。だが「魔の感染症」によって、より多くの人が亡くなっていいわけでもない。規制継続か開放か、という明確な2者択一ではなく、知恵を絞って半歩ずつ前へ進んでいくしかないだろうと思う。

コロナの夜明け:千載一遇の好機と果敢な投資始まる

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延は、医療問題だけでなく、経済問題としても社会生活を変えるまでになった点で深刻である。

経済の流れが滞ると多くの人は閉塞感を感じる。それはまるでコロナウイルスが体内に入って血管を傷つけ、血栓を引き起こす現象に似ていたりする。

製造、卸売、小売りをはじめ、旅行から不動産まで、コロナによる悪影響は社会全体に及ぶ。

旅行業に携わる知人は、「キャンセル地獄です」という言葉で苦境を表現した。(続きは・・・コロナの夜明け:千載一遇の好機と果敢な投資始まる)

世界一の白い砂

私は以前、世界の砂を集めていた。さまざまな国を訪れた時、ビーチに行く機会があれば、そこの砂を一掴みもってきて透明の平たいグラスに並べていた。

もちろん地質学的な分析ということではなく、単なる自己満足である。ビーチだけでなく、サハラ沙漠の砂も手にしたし、アリゾナ沙漠の砂もあった。興味深いのは、すべて色と粒子の大きさが少しずつ違っていたことだ。

集め始めて10年ほどした頃、米国内でUSエアウェイズ(2015年にアメリカン航空に統合)に乗っていた時に機内誌の記事で、「世界白い砂チャレンジ」というタイトルを目にした。それまでそんなものがあることを知らなかったので、心臓をバクバクさせながら一気に読んだ。

世界で最も白くて最も粒子の細かい砂のビーチはどこかを争うコンテストであり、優勝したビーチが記されていた。南太平洋のどこかの島か、カリブ海あたりかと思っていたが、優勝は「シエスタ・キー」という米フロリダ州メキシコ湾側にある島の砂だった。

タンパ市から50キロほど南にいったところで、島は半島と橋でつながっているという。砂の写真も出ていたが、雪のように白かった。本当なのか、、、。確かめるしかない。

記事を読んだ翌年だったと思う。2000年代初頭のことだ。その砂を握りしめることだけを願って、シエスタ・キーに行った。ちなみにシエスタはスペイン語で昼寝という意味で「昼寝島」となる。人気の少ない広々としたビーチにでて目を疑った。

「ナンダコレワ!」である。

本当に雪のように白かったのだ。砂を手にとると、サラサラと指からこぼれ落ちる。しばらく目を瞑ってからパッと目を開けると、スキーのゲレンデにいるような錯覚さえあった。ビーチのそばで地元の人に訊いてみた。地域の人にとっては自慢だったようで、砂の謎をすぐに教えてくれた。

from Pinterest

アパラチア山脈には水晶の鉱脈があり、何万年という単位で地下水によって水晶が削られ、川に運ばれて海流に乗ってシエスタキーに水晶の粒子が結集したということだった。

驚愕と同時に深く納得し、ふんわりした笑顔で私はワシントンに戻ったのだが、世界で一番、、というものを手にいれてしまったことで、世界の砂集めに対する興味が一気に冷めてしまったことは少しばかり残念である。