新型コロナ(2):致死率は1.4%

新型コロナウイルスの話題が尽きない。メディアだけでなく、人と会ってもまずコロナの話題から入ることが多くなった。

日本で日常生活のなかで感染する可能性は数値から判断する限り極めて低いが、新型ウイルスなのでワクチンはなく、細心の注意をはらって感染を予防すべきであることは言うまでもない。

ドナルド・トランプはコロナの件では、すでに大雑把な性格を表すかのような発言をいくつもしている。2月27日の会見で、「消滅するでしょう。ある日、奇跡のようにコロナウイルスは消滅しますよ」と何の根拠もなく口にしたが、過去2週間でアメリカの感染者・死亡者は増え続けている。

ただ1918年に流行したスペイン風邪(インフルエンザ)のような壊滅的と呼べるような致死性がないのが救いといえば救いである。ウィキペディアによれば、スペイン風邪は当時、世界人口の27%が感染し、最大で1億人が亡くなったという。

しかし今回のコロナの致死率は、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」誌に掲載予定の論文によれば(1099人の患者調査)、1.4%である。今後、数字の変動は多少あるだろうが、誰もが死にいたる感染症でないことは明らかだ。

南カリフォルニア大学医学部の感染症疫学者、メリッサ・ノーランは「臨床的にコロナに特化した特徴的な症状はみられない」とし、8割の感染者は重症化しないため自宅療養で治癒すると判断している。

感染症そのものより、株価下落をともなった経済活動の低迷の方が世の中に与えるインパクトは大きいかもしれない。(敬称略)

今日のお宝(21):白いちご

佐賀県産の白いちご「淡雪」。最近よくフルーツの売り場で見かけますが、一度も買ったことがありませんでした。

「エイヤッ」と思って買いました。味は、、、、ン・ン・ン。察してください。

2020年米大統領選(30):消極的選択

米時間3日に行われたスーパーチューズデーで、14州のうち10州でジョー・バイデンが勝利を確実にした(日本時間5日午前)。バイデンの躍進は予想外だった。アメリカのメディアや政治評論家もバイデンの盛り返しは読めなかったとして「Resurrection(復活)」という言葉を使っている。私も読めなかった。

予備選最初の2州であるアイオワとニューハンプシャーでは4位と5位という順位で、得票率もそれぞれ15.6 %、8.4%と振るわなかった。ニューハンプシャーに取材に行って米人記者たちと話をした時、「バイデンはもう終わる」という話がでていた。

というのも、すべての有力候補は昨年から2州で多大な時間と資金を費やし、同じように選挙運動を展開してきた中での4位と5位だったからだ。それがバイデンの今の力であると誰もが判断した。たぶん本人もそう考えていただろう。

ただ2月29日のサウスカロライナでは善戦できると思われていた。黒人票を期待できたからだ。予想通り1位になったが、スーパーチューズデーの諸州でここまで勝てるとは予想していなかった。

そこには理由がある。バイデンが10州でトップにきたのは「消極的理由」からだと私は考えている。有権者は積極的にバイデンを選んでいないのだ。スーパーチューズデーを前にしてピート・ブダジェッジとエイミー・クロブシャーが選挙戦から退いたため、2人に投票しようとしていた穏健派は「あとはバイデンしかいなかったから」という理由で票を入れたというのが真相だろう。

ブダジェッジ、クロブシャーを推していた有権者が左派のサンダーズに乗り換えることは考えにくい。消去法が使われて、最終的にバイデンが残ったという図式である。まあ理由はどうであれ、勝ちは勝ちに違いないが、後ろ向きの理由で勝ち進んだ候補という印象はぬぐえない。今後はサンダーズとの一騎打ちになる。(敬称略)

Media appearance

明日の放送メディア出演予定:

・3月4日(水)出演は1:10pm頃から テレビ朝日『ワイド!スクランブル

アメリカ時間3日が大統領選のスーパーチューズデーです。14州で同時に予備選が行われます。その結果を眺めながら、生放送で分析・解説を行います。

フラップ t

いきなり「フラップ・ティー」と書いても、ほとんどの方は何のことかお分かりにならないだろう。英語で書くと「Flap t」だ。

何のことかと言うと、アメリカ英語の発音についての話である。

昨日、大統領選から撤退した「Buttigieg(ブダジェッジ)」の読み方は、日本のメディアは「ブティジェッジ」としている。けれども私は、当ブログでも他の原稿や放送メディアでも「ブダジェッジ」と書き、発音してきた。朝日新聞だけがずっと同じようにブダジェッジと表記してきたが、今年になって他のメディアに合わせてブティジェッジに変えた。悲しいかぎりである。

というのも、10カ月ほど前、ブダジェッジ本人がアメリカのテレビ番組に出演し、はっきりと「ブ・ダ・ジェッジ」と発音しますと述べていたからだ。本人は「ティではなくダです」と言った。

「Buttigieg」という姓名は地中海のマルタ島(マルタ語)が由来で、スペル通りに読むと、確かに「ブティジェッジ」なのだが、アメリカ英語の発音では「t」が「i」と重なって「ダ」になり「ブダジェッジ」と読む。

ことを「フラップ t」という。舌を口の中でフラップ、つまり跳ね返すようにしてダの音をだすのだ。そこまでこだわらなくてもいいとの考えもあるが、姓名はこだわるべきだろうと思う。たとえば私の姓である堀田(ほった)を「ほりた」呼ばれ続けるようなものだからだ。

だが残念ながらブダジェッジは選挙戦から退いた。4年後にまた挑戦してもらいたいと思う。