フラップ t

いきなり「フラップ・ティー」と書いても、ほとんどの方は何のことかお分かりにならないだろう。英語で書くと「Flap t」だ。

何のことかと言うと、アメリカ英語の発音についての話である。

昨日、大統領選から撤退した「Buttigieg(ブダジェッジ)」の読み方は、日本のメディアは「ブティジェッジ」としている。けれども私は、当ブログでも他の原稿や放送メディアでも「ブダジェッジ」と書き、発音してきた。朝日新聞だけがずっと同じようにブダジェッジと表記してきたが、今年になって他のメディアに合わせてブティジェッジに変えた。悲しいかぎりである。

というのも、10カ月ほど前、ブダジェッジ本人がアメリカのテレビ番組に出演し、はっきりと「ブ・ダ・ジェッジ」と発音しますと述べていたからだ。本人は「ティではなくダです」と言った。

「Buttigieg」という姓名は地中海のマルタ島(マルタ語)が由来で、スペル通りに読むと、確かに「ブティジェッジ」なのだが、アメリカ英語の発音では「t」が「i」と重なって「ダ」になり「ブダジェッジ」と読む。

ことを「フラップ t」という。舌を口の中でフラップ、つまり跳ね返すようにしてダの音をだすのだ。そこまでこだわらなくてもいいとの考えもあるが、姓名はこだわるべきだろうと思う。たとえば私の姓である堀田(ほった)を「ほりた」呼ばれ続けるようなものだからだ。

だが残念ながらブダジェッジは選挙戦から退いた。4年後にまた挑戦してもらいたいと思う。