ある中国企業のアメリカ進出

胡錦濤国家主席がホワイトハウスでオバマ大統領と会談した今月19日、アメリカ側は大手企業14社のCEOを招いていた。

マイクロソフトのバルマー氏、ゼネラル・エレクトリック(GE)のイメルト氏、ボーイングのマクナニー氏、ゴールドマンのブランクファイン氏といった財界の重鎮である。人権問題や為替問題、朝鮮半島の安全保障問題などで米中は依然として対立姿勢を崩さないが、「両国間のビジネスは大いに拡大していきましょう」という点で一致していた。

世界最大の中国市場への参入はアメリカの多国籍企業だけでなく、諸外国の企業にとっても右肩上がりで拡大している。2010年の対中直接投資額は09年比で17.4%増の1057億ドルに達している。逆の流れの中国による対外直接投資額も前年比で36.3%も伸び、590億ドルという巨費になっている。

各国企業が中国市場に血まなこになる姿は十分に理解できる。同時に中国が世界各国の資源や技術を求めてマネー外交を繰り広げている点も周知の事実だ。ただここにきて、中国企業によるアメリカ市場への「正当な進出」にも注目が集まっている。

                    
「正当な進出」とは、カネに任せて買いあさるのではなく、周到な準備から土地を買って工場を建て、近隣の雇用を拡大させてアメリカ経済へのプラス要因を生み出す進出だ、、、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

胡錦濤、ワシントンへ

上昇気流に乗る中国と下降線を描くアメリカ―。

中国がGDPで日本を抜くことは何年も前からわかっていたし、いずれアメリカをも凌駕することは誰もが気づいている。ただ今のアメリカは不安でしようがない。堕ちていく自分たちの姿を直視できないかのごとくである。

その態度の裏返しが、オバマの胡錦濤に対する強気の態度なのだろう。いまだにアメリカが世界一であることを誇示したくてしようがない。

                     

      

                  by the White House

            

いまでも経済力、軍事力、外交力のどれをとってもアメリカの優位性はゆるがない。けれどもそう遠くない将来、中国に追いつかれ、そして水をあけられる。早ければ10年後だ。

歴史的にみると、帝国が凋落していく時に現体制は保護主義的になる。それが共和党であろうが民主党であろうが同じである。中国の為替操作を責め、レアアースの輸出規制に対する制裁を検討するのもその表れの一つだ。

今後、世界はアメリカと中国の二極社会に本当に移行するのか、それとも中国がアメリカを蹴落として限りなく1極に近くなるのか。インドやブラジル、ロシアを含めた多極化の世界に移るのか、いまだに誰も明確な答えはもちあわせていない。

今週、J-WAVEに出演した時には時間がなくてその話のサワリしか語れなかった。ラジオ・フランスでも少し話をしたが、やはり話し足りない。今週はフラストレーションが溜まったまま、週末をむかえる。(敬称略)

オバマ経済学

オバマ大統領がホワイトハウスの住人になった2009年の秋、ワシントンで取材中、シンクタンクの研究者が言った。

「オバマ氏はカネ儲けを邪悪と考えているようだ。基本的に理念の人だし、市民活動家としてこれまで反ビジネスの立場にいた。その証拠に誰一人として財界人を閣僚に抜擢していない」

あれから2年。その話は研究者の話というレベルでは収まらなくなった。企業の営業活動はオバマ政権による規制により多少なりとも抑制された。大企業のCEOで構成されるビジネス・ラウンドテーブルは昨年、そうしたオバマ大統領への苦言と提案をリポートにまとめ、ホワイトハウスに提出した。そこには米財界のフラストレーションが綴られていた。

しかし中間選挙で民主党が大敗し、連邦下院の過半数を共和党に奪われたことで状況は一変した。オバマ大統領は共和党と妥協しなくてはワシントンの政治が前に進まない。手を組まなければ法案を通過させることはできない。

状況がよく把握できない人たちはこの「ねじれ」をワシントン政治のさらなる劣化と呼んだ。財政赤字と経常赤字の双子の赤字はすぐに解消せず、失業率も9%台で高止まりしている。経済成長率が鈍化する中で、オバマ政権は身動きができないと捉える。けれども状況は逆である、、、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

国家を語ること

ある朝、テレビを観ていると久しぶりに元首相の中曽根が出ていた。

92歳にしてはあまりにシャープな物言いに驚かされる。彼の支持者ではないが、中曽根は英語でいうポリティシャン(politician)ではなくステイツマン(statesman)なのだろうと思う。その違いは、前者が単なる地元有権者の利害の代弁者であるなら、後者はもっと高い見識から国家を見据えて行動できる者といえる。

番組の中で言った。

「最近の政治家は国家を語らなくなった」

その通りである。首相の菅に足りないというより、ほとんど持ち合わせていないと思えるのが国家像である。それなくして首相はすべきではない。国家財政の数億円をどうするといった話は小役人に任せるておけばいい。いま国民が望んでいるのは、これからの日本がどういう方向に進むべきかのビジョンを明確に示すことである。

先週、ハーバード大学経営大学院(MBA)教授のリチャード・ヴィートーにインタビューした。 ビジネス書で今売れている『ハーバードの世界を動かす授業』の「主人公」である。

     

                             

彼の場合、一国の国家像というより世界中の国をかなりの深度でくまなく解析しているので世界像といえるが、近未来の日本やアメリカ、中国、インド、ヨーロッパの進む方向を大局的にも局所的にも論じており、目を見張らされた。

マクロ経済のプロとしての立場だけでなく、各国の政治や社会、文化にいたるまで縦横無尽に語れる人物として、これまで私がインタビューした数千人の中でもトップ5に入る人物だ。その彼は、いまの日本についてかなり悲観的である。政治システムが機能していないので、大きな変革が必須との指摘だ。

詳細は週刊誌にゆずるが、菅が第2次改造内閣を打ち出したところで、すでに国民は現状に大差がないことを熟知している。民主党は13日に千葉市で党大会をひらいたが、人事問題を中心にした内輪揉めに終始し、いまの日本が置かれた深刻な状況を打破しようとの心意気は見られない。

国家像どころか党内の人間関係に終始する始末で、ポリティシャンにもいたらない輩が増えたという思いが強まるだけである。(敬称略)

2011年、中国企業との新しいつき合い方

中国とどうビジネスをするのか―。

中国進出への新しいトレンドが浮かび上がってきている。特に欧米企業の中国関与の施策が時代とともに移り変わり、過去1年で新しい動きがある。

話を進める前に、過去における中国企業とのかかわりを総括してみたい。長年、多くの企業トップは中国市場への出方で悩み続けてきた。

BRIC’sの中でも中国が抜きん出た勢いで経済成長を続け、日本企業も何らかの形でその波に乗るべきと考えるのは当然だった。しかしこれまで、「中国とのつき合い方には気をつけないと失敗する」「狡すっからい国だ」という批判が後を絶たず、慎重論も多かった。

経済産業省が発表した統計をみても、近年は新規設立よりも撤退・移転の方が多くなっている。

04年から08年の5年間で、日系企業の新規設立は04年の211社から107社(08年)へと半減している。逆に撤退・移転企業数は04年の92社から151社に増えている、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。