あるタクシー運転手の気概

今日(7月3日)の朝日新聞朝刊の1面に、たいへん興味深い記事がでていた。1面から2面にわたって続く記事の主役はガーナ出身のハッサン・カリムさんという48歳の男性。

近年は大手新聞の1面に政治・経済のニュースではなく、個人的なストーリーが掲載されることがあり、今日のフロントページもまさにそうした記事だ。2006年に来日したカリムさんはさまざまな仕事についてきたが、東京でタクシーの運転手になりたいと思っていた。

タクシー運転手になるためには2種免許を取る必要がある。日本語の会話はほとんど問題なくできたが、カリムさんは読み書きが苦手で学科試験に落ち続けた。落ちた回数、なんと82回。83回目でパスして、いまは運転手をしている。

一般的に考えると、どうしても受かりたい試験であっても、10回も落ち続ければふつうは嫌気がさして諦めてしまわないだろうか。なんとしても受かるまでと思っても30回、40回と落ち続けたら、「これは俺には無理だ」と思うのが人の心理である。だが、カリムさんは自分を信じ続ける力を失わず、合格するという信念を持ち続けたことで、晴れて日本でタクシー運転手になれた。

同記事ではカリムさんの諦めない心意気と、タクシー運転手に外国人が増えているので、試験のハードルを下げるべきとの意見が述べられていた。「何事も諦めなければ成就できる」ということをあらためて教えられた気がした。

それにしても83回、、、、脱帽である。

プーチンは逮捕されてしかるべき

国際刑事裁判所(ICC)は17日、ロシアのプーチン大統領(以下プーチン)に戦争犯罪の容疑で逮捕状をだした。すでに世界中で大きな話題になっているが、ウクライナ侵攻をはじめとするプーチンの横暴な振る舞いを考えると当然な判断であろう。

今回は「ウクライナからの子ども連れ去りに関与した戦争犯罪」とされているが、ロシア軍をウクライナ領内に進軍、占領していく蛮行は地域に災いを生み出し、禍根を残す犯罪行為にほかならず、戦争のおぞましさをまざまざと内外に見せつけることになった。

この元凶を生みだしたプーチンに対して逮捕状をだしたことは、ICCの妙手であるが、これまでのところ結果が伴っていないのが残念である。というのも、いくらICCが国際機関であってもロシアと中国はICC に加盟しておらず、ロシアは「知らぬ存ぜぬ」を貫いている。

いまメディアは、ロシアがICCに加盟していないと報道しているが、実は2016年まで同機関に加盟していた。いまは非加盟国になったので、「何の関係もないだろう」と解釈しているのだ。現実的にみて、今後プーチンが国際法廷の場で裁かれる可能性は低いと言わざるを得ない。

しかし強制的にでも、プーチンの手に手錠をかけてやりたいと思うのは私だけではないはずだ。国際社会は力を合わせて動くべきである。

日韓の英語力

今日(2月21日)の日本経済新聞朝刊に「韓国人の留学 日本の3倍」という記事が出ていた。岸田首相が1月に「日本人留学生の海外派遣の拡充や有望な留学生の受け入れを進める」という発言を受けて、留学生についての日韓比較を行ったのだ。

以前から指摘されていることだが、韓国の人口は日本のほぼ半分であっても、海外の大学・大学院への留学生は日本のほぼ3倍に達している。2019年、韓国では約21万3000人が留学したが、日本では約6万2000人に過ぎない。留学に対する考え方の違いもあるが、「英語熱」はどうやら日本よりも韓国の方がはるかに高いようだ。

いまに限ったことではない。私がアメリカに留学していた80年代初頭、すでに日本人よりも韓国人留学生の方が多かったと記憶している。英語力だけに限ってみても、TOEICの平均点(2019年)は韓国が679点で、日本よりも100点ほど高い。日本語にしても韓国語にしても、他国ではほとんど使用できない言語だけに、両国の学生はかなり時間をさいて勉強せざるを得ない。その中で、これだけの差がでている。

英語習得という点において、母国で勉強するより英語圏に留学した方がはるかに有利であることは明白だが、それよりも英語を身につけようという意識が昔も今も日本よりも韓国の方が上というのはどういうことなのか。

もちろん「日本人でもやればできる」のであって、あとは本人のやる気次第というのが私の考えである。

米中は2025年に戦争をする: 米空軍大将が放った言葉の衝撃

米空軍の大将による米中戦争の可能性発言が内外で波紋を広げている。

空軍航空機動軍司令部のマイク・ミニハン大将(56)は2023年1月末、自身のツイッターで「私の直感では、米国は2025年に中国と戦争をすることになるだろう。直感が間違っていることを願う」とつぶやいた。

このつぶやきは内外のメディアに大きく取り上げられ、ウォールストリート・ジャーナル紙などは社説でも扱ったほどだ。こう記している。

「ミニハン大将の言葉はぶっきらぼうかもしれないが、彼の懸念は広く共有されているし、されるべきである。(中略)台湾をめぐる紛争では死傷者の規模が大きくなるし、米軍をぐらつかせることになる」

そして同社説は結語で、「台湾を守るための戦争を阻止するため、米国は(中国の)侵略を撃破する手段と意志を持っていることを中国に示す必要がある」と記した(続きは・・・米国は中国と2025年に戦争をする――米空軍大将が放った言葉の衝撃)。