第三次世界大戦はすでに始まっている?

日本のメディアではまだ広く報じられていないが、欧米メディアではいま「第三次世界大戦はすでに始まっている」という論調の記事が数多く発表されている。この指摘が本当であれば、恐ろしいことで、注視しなくてはいけない。

フォーブス誌のブライス・ホフマン氏は、シリアでのアサド政権の崩壊が、増え続ける世界的な紛争の関連性を浮き彫りにしていると記した上で、「深く考えたくない厳しい真実が明らかになっている。それは 第三次世界大戦がすでに始まっているということだ」と記した。

さらにウクライナのヴァレリー・ザルジニー 元軍事総司令官 は、ロシアの独裁的同盟国がウクライナ戦争に直接関与することは、第三次世界大戦が始まったことを意味すると指摘。またJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン経営最高責任者(CEO)も「第三次世界大戦はすでに始まっている。すでに複数の国家が戦闘に入っており、リスクは並大抵ではない」と発言した。

複数の地域戦争は一見するとバラバラのように見えるが、関連性があり、今後拡大の傾向があることから、多くの国がこの渦に巻き込まれていくという見立てだ。大国が直接、または間接的に関与することで、紛争が連鎖的に多くの国に影響を与え、かつての世界大戦の初期段階と同じような軌跡をあゆむ可能性があるのだ。

マクロン仏大統領を含む複数の欧州諸国のトップは今後数年以内にロシアとの本格的な戦争が起こる可能性があると警告しはじめていることも見逃せない。

「我々は戦いつづける!」

筆者撮影

11月19日午後2時、東京丸の内にある日本外国特派員協会の記者会見に現れた駐日ウクライナ特命全権大使のセルギー・コルスンスキー氏。ロシアとの戦いはウクライナ側が勝つまで続けると明言した。

2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの侵攻は、今日でちょうど1000日目を迎えた。一向に終わる気配がない戦争に、周囲からはそろそろ終戦への手立てを熟慮すべきとの声もあがるが、ウクライナ政府は「勝つまでは」との姿勢であるという。というのも、「敵が戦いを止めない以上はこちらも止めるわけにはいかない」との立場だからだ。

数日前、バイデン政権がウクライナに対し、米国製の長距離ミサイルの使用を許可するとの報道がでた。米国製兵器の使用が認められれば、ウクライナでの戦争はさらにエスカレートする可能性が強い。こうした状況について、コルスンスキー大使は「ドローンは時に充分ではない。長距離を飛ぶことができないからだ。だから我々はミサイルが必要になったのだ」と述べ、長距離ミサイルの使用を正当化してみせた。

会見の最後に、プーチン大統領について次のようにコメントしたのが印象的だった。

「彼は怪物であって人間ではない!」

報復の精神性

中東情勢が緊迫している。今月1日にはイランがイスラエルに向けて180発以上の弾道ミサイルを発射し、両国の対立が新たに高まっている。イランはイスラエルがイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師を殺害したことへの報復としているが、すぐに収束に向かうとは思えない。

そこには「やられたからやり返す」という報復の意識があり、人類が長年断ち切ることができない他者への攻撃性がみて取れる。それは一個人であっても国家でも大差なく、報復の連鎖という戦争につながる行為となってあらわれる。

こうした攻撃性というのは、人間の歴史の中で遺伝情報としてDNAに刷り込まれていると説明する人もいる。復讐という行為を「正義」という言葉で正当化することで、殺し合いが繰り返されてしまう。

この点で、科学技術が発展し、世の中は日々進化しているように思えても、人間が戦争をするという愚かな行為はなくならず、地球のどこかで今日も殺し合いがつづいている。

国家間の争いにおいてはまず、国のトップにたつ人間が報復の連鎖を止めなくてはいけない。それが本当の勇気というものだろう。

激化するウクライナ戦争

今日付け(9月27日)のニューヨーク・タイムズ国際版の一面トップに、「ウクライナ、東部戦線の維持に苦戦(Ukraine struggles to hold its eastern front)」という記事が掲載された。内容はロシア軍が多大な死傷者を出しながらも、ウクライナ東部ドネツク州で攻勢をしかけており、戦況はロシアに有利な展開になりつつあるというものだ。

ロシア軍は装甲攻撃をしかけながら、兵士は徒歩、バイク、全地形型車両などでウクライナに攻め入り、北部チャシブヤールから南部ウフレダルまでを制圧しようとしているという。

そんな中、ウクライナのゼレンスキー大統領は米メディアに対し、「戦争は終結に近づいている」と発言。「私たちが考えているよりも和平に近づいている」と述べ、戦地から伝わる状況や兵士らの発言とはいささかかけ離れたコメントをしており、言葉の意図が今ひとつはっきりしない。

さらに、同大統領は26日にホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、 ウクライナが作成している「勝利計画」について説明。「どのように計画を強化し、確実に実行していくのか、詳細を協議したい」 として前向きな姿勢をしめした。バイデン氏もそれを受けるように、戦争終結には戦地で優位にたつことが必須として、あらたに総額80億ドル(約1兆1000億円)の軍事支援を約束した。そして、 「ロシアは戦争に勝てない。ウクライナが勝つ。われわれはウクライナ側に立ち続ける」 と発言し、あらためてウクライナの味方であることを強調した。

現場の戦況とバイデン・ゼレンスキー両氏の見立てが違うように思えてならないのだが、、、、。

衝撃のポケベル爆発:だが計算違いだった?

中東レバノンで17日に起きたポケベル爆破事件は衝撃的だった。すでに多くのメディアが詳細を伝えているので、事実関係には深く踏み込まないが、最初の爆発で12人が死亡し、3000人近くが負傷したという。そして翌18日には次なる攻撃が起き、あらたに20人が死亡し、約450人が負傷している。

イスラエルによる攻撃であることはほぼ間違いないが、イスラエル政府も対外諜報機関モサドも、ここまで沈黙を貫いている。ポケベルに爆発物が埋め込まれていたことによる爆発だが、イスラエル側は長期間にわたって計画し、爆弾を仕込んだことは間違いない。ヒズボラが発注した通信機器は5000台で、レバノンに到着するまえに爆弾が仕組まれたという。

今後、イスラエル政府が背後にあることが証明された時、一国家による殺戮行為としては最悪の部類に入ることになるだろう。ただ私が思うのは、今回の攻撃はイスラエル側にしてみると「計算違い」だったのではないかということだ。

というのも、映像で見る限り、かなり鮮烈な爆発が起きているが、最初の爆発でなくなった方は12人。負傷者は3000人という数字で、イスラエル側にしてみると死亡者が予想よりもかなり少なかったのではないか。つまり、攻撃側は1000人単位でヒズボラメンバーを殺戮したかったが、実際はそこまでいかなかったというのが真相なのではないか。そう思えてならない。

これは今後、イスラエルとヒズボラの抗争がずっと継続されることを意味するし、攻撃がより過激になっていく可能性が高い。日本はいったい何ができるだろうか。