エボラ

あまり煽りたくはないが、エボラ出血熱の感染がひろがっている。

先月末にJBPressで書いた記事(エイズよりはるかに怖いエボラ出血熱、蔓延の兆し)の続報をお知らせしたい。

記事中でパトリック・ソイヤーさんという方がナイジェリアで亡くなったと記した。彼と接触のあった方が首都ラゴスと飛行機で何人もいて、感染が心配だったが、憂慮していたとおりの展開になりつつある。

ナイジェリアではすでにソイヤーさんを世話した看護師の方が亡くなった。さらに今週半ばまでに7人の感染者が判明し、現地の報道(8日)によると新たに5人がエボラ・ウイルスに感染しているという。それ以外にソイヤーさんと接触のあった27人が監視体制のなかに置かれている。

恐ろしいのは致死率の高さだけでなく、感染後3週間以内に発病し、患者によっては数日で死亡してしまうスピードの速さだ。

アフリカ以外では、すでにサウジアラビアのビジネスマンが西アフリカへの出張後、帰国後ジッダで亡くなった。スペイン人神父はリベリアで感染後、現在マドリードで治療中だ。アメリカ人2人もアトランタの隔離病棟で治療を受けている。

西アフリカでは医師や看護師が死亡していることも恐怖心を助長させている。ただウイルスを蔓延させない適切な処置をすれば感染は防止できる。

日本も他人事ではない。厚生労働省は「いますぐ感染者・患者を治療できる」という体制だけは整えておかなくてはいけない。

やはり、、、のサッカー日本代表

相変わらず空回り、、、というのが正直な感想である。

熱烈なサッカーファンは本田の公言した「優勝」という言葉を信じているかもしれないが、こうした国際大会の時だけサッカーを観るという方(私も含めて)は、頑張ってほしいとの思いがある一方で、「ンー、、、やはりなあ」という悲観的な感情も抱えている。

ギリシャ戦ではボール支配率がおよそ70%という高率ながら、得点できなかった。

最初から過度の期待はかけるべきではないとはわかっていながら、スカッとしないのはいったいどうしたわけか。食べたものが消化しきれずに明朝にまで持ち越されたような気分である。

強豪国であってもグループリーグで敗れるのがワールドカップであると、誰もが知っている。それでも、「どうしたニッポン」という気持ちは消えない。

理由のひとつはストライカーの欠如だろうかと思う。クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)やアリエン・ロッベン(オランダ)とまでいかなくとも、ゴールネットを切り裂くくらいの弾丸シュートが日本選手からはほとんど見られない。

パスなのかシュートなのか判別つかないスピード、、、と言っては失礼だが、そうとしか見えない。「それじゃお前、蹴ってみろよ」と突っ込まれたら「できません」としか言えないが、スカッとしない原因をさぐるとそういうところに行き着くような気がする。

昨年J1で得点王になった大久保はまだしも、ヨーロッパリーグで活躍する日本人選手は小技こそうまいが、自分でゴール前まで持って行って、2人ほど相手選手をかわしてゴーーール!という豪快さはない。

プレミアリーグやセリアAで得点王(無理か)でなくても、得点ランキングでせめて20位に入ってほしい。だが長友が53位で本田にいたっては174位。香川は今季18試合でノーゴールのため、ランキングにさえ登場していない。

まだコロンビア戦が残っている。あまり感情移入しないで応援することにする。(敬称略)

STAP細胞のゆくえ

小保方晴子が9日、大阪で会見を開いた。会見では相変わらずSTAP細胞の実験の詳細は明かされなかったが、多くのメディアが批判的な眼をむけるなか、私は謙虚さや熱意が伝わる会見だったと思っている。

言い訳がましいことは口にせず、上司や理研の批判も封じて謝罪に終始した。

だが2時間半の中で、彼女に付着した負の部分をすべて「正」に反転できたかは疑問である。パワーポイントによる会見だと聞いていたので、実験データを示すのかと思ったが違った。

つまり、最も重要なポイントであるSTAP細胞の作製の証明が示されなかった。単に200回という数字をだしたに過ぎない。

ただ私は会見の中で口にしたいくつかのキーワードから楽観的な見方をしている。人によってはいくつかの不正行為によって「信用できない人物」とか「研究者として終わった」と述べるが、 彼女にしかできない実験を成功させていると考えている。

「今回の論文は現象論を示しており、最適条件を示したわけではない」という言葉にそれが表れている。

3月16日のブログ信頼を回復させるために で書いたとおり、論文に書かれている実験工程だけで追試をしてもうまく行くとは限らない。生化学の実験では扱う細胞によって結果が違うし、繊細なヒトフリによって他者のおこなう実験と違う結果がでる。

彼女だけが会得した実験ノウハウによってSTAP細胞の作製に成功したと私は見ている。限定的な実験環境においてだけで、誰しもができる条件下ではないというのが、「現象論を示しており、最適条件を示したわけではない」という意味だ。

さらに「コツやレシピーのようなもの」という言葉もそれを示している。これこそが発見者だけが知る秘密である。そして彼女は自信をのぞかせる。

「もし私が細胞を作るところを見たいという方がいれば、ぜひどこにでもいって、、、できるだけの協力をしていきたい」

論文は公表された時点で、すべてを明かさなくてはいけない。手品の種あかしではないが、すべてを世界中の研究者にさらす義務がある。

これまでは競争だったが、遅れていた研究者に種あかしをすることで、また皆が同じラインに立てる。そこから競争すればサイエンスはさらに先に進める。科学者はオープンでないといけない。

小保方は研究者としては未熟だが、サイエンティストとしての姿勢は十分に評価できる。もし昨日の会見で虚言をはいていたとしたら、その時は本当に終焉と言えるかもしれない。(敬称略)

やはり彼は市長がせいぜい

またアメリカ国内政治の話で恐縮だが、ホワイトハウスでオバマの初代首席補佐官を務めたラーム・エマニュエルという男がいる。いまはイリノイ州のシカゴ市長を務めている(ある男の勝利 )。

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彼がノースカロライナ州で行われた民主党大会2日目に登場して約9分間の演説をおこなった。内容はもちろん元ボスであるオバマを讃えるもので、大統領はホワイトハウスに入った初日から真摯に多くの問題に取り組んでいたと訴えた。

当時、エマニュエルは「大統領、どの問題から最初に取り組むつもりですか」と訊いた。オバマは「問題を選んでいてはいけない。すべての問題に取り組むんだ。そのために国民は私を大統領に選んだんだから」とはっきり答えたという。

さらに国民からの声に耳を傾けるため、毎晩レジデンスに引き上げる前に必ずホワイトハウスに届いた市民からの手紙を何通か持っていったという。

彼とオバマの2人にしかわからない話はそれなりに興味深かったが、彼の演説のできが芳しくなかった。10点満点で4点といったところか。

今回は元大統領のビル・クリントンとオバマ本人の演説が秀逸だっただけに、他の人たちの話が霞んでしまった。同時に、内容よりもいかに聴衆の心を捉える話し方ができるかできないかで政治家としての技量が計られることも再確認した。

それにしても、もう少しなんとかならないのか。(敬称略)

また鳥肌

パワフルな演説だった―。

民主党の党大会最終日。オバマが登壇して久しぶりに力強いスピーチを行った。日本にいてもケーブルテレビやインターネットで生演説を観られる。

もちろん会場にいた方が臨場感もあって感情も高揚するが、インターネット経由で観ているだけでも腕に鳥肌が立ってしまった。

2004年夏、ボストンで行われた党大会に登場したオバマは当初、シカゴの若手議員というだけで大きな期待をかけられていなかった。しかし話を始めると、スピーチの内容だけでなく話の流れと抑揚、力の入れどころを心得ていてスーッと鳥肌が立ったのを覚えている。

政治家のスピーチで鳥肌が立ったのは1992年のゴア副大統領候補(当時)の演説以来だった。そして先ほどのオバマの演説で3回目。最初の2回は実際に現場にいたが、今回はパソコンの画面に映し出されたオバマの姿を観ながらである。その場にいたら小さなブツブツが全身にできていたかもしれない。

4年前オバマが当選したのは、この巧みな演説の技術に依るところが大きい。国民に自身のビジョンを示すことは政治家の務めだが、それをいかに行動に移し、目に見えるかたちで成果に収めるかがもっとも重要だ。

今日あらためて演説のスゴサをみせつけられたが、政治家の真価が問われるのはその成果である。外交と社会政策では合格点だが、経済では平均点でしかない。

個人的にはあと4年見ていたい大統領である。(敬称略)

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by the White House