あなたは大丈夫か、世界中で加速するテクノ失業

これが時代の波というものなのかー。

2015年7月末、当欄で「ロボットが人間の職を奪う日がついに到来」という拙稿を執筆し、「テクノロジー失業(以下テクノ失業)」という言葉を使った。

人工知能やロボットの出現により、単純労働だけでなく知的労働の領域にまでテクノロジーが導入されて、勤労者の職が奪われる現実だ。そのテクノ失業がいま、加速度的に世界に広がりを見せている(あなたは大丈夫か、世界中で加速するテクノ失業)。

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Robots are coming!  (Photo courtesy of Recruitingtimes)

メリル・ストリープが発した人種関連発言の波紋

単なる言い間違いなのか、それとも人種差別を意識した意味のある発言だったのか―。

米国の女優、メリル・ストリープが2月12日、人種問題にかかわる発言をし、映画界だけでなく全世界に波紋が広がっている。

日本の主要メディアではあまり報じられていないので、発言を背景を説明したい(メリル・ストリープが発した人種関連発言の波紋)。

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Photo courtesy of Youtube

手作りのロック

数日前、スカパーの番組(ニュースザップ)に出演した時、ミュージシャンのグローバーと共演した。

彼のやさしさあふれる語り口は、人を惹きつける。私より20歳も若いとは思えないくらいだ。CM中に雑談する時間があり、音楽の話で盛り上がった。

彼は過日(2月4日)他界したモーリス・ホワイトの話をした。名前をきいてもピンとこない方もいらっしゃるだろう。ホワイトというのは1970代に活躍したロックグループ「アース・ウィンド&ファイア」のボーカルである。

グローバーもたぶん記憶にない頃に全盛時代を迎えたバンドだが、プロのミュージシャンらしく、彼はホワイトの音楽も特徴もしっていた。

当時はまだコンピューターが音楽制作の現場に使われていない時代。レコーディングもそのままの音を拾う。

「いまでは考えられないことが起きていたんです。私はドラムを叩いていたのでわかったんですが、曲が進むにつれてペースが速くなるんです」

コンピューターでリズムを刻む時代である。曲の途中でリズムが速くなることなどほとんどないだろう。しかし、音楽は人間が聴くものである。

感情が高まり、体が揺れるにしたがい、リズムが速くなる方が自然である。

「堀田さん、ぜひ昔の音源で聴いてみてください」

自宅にもどり、もっていたはずのアース・ウィンド&ファイアのCDを探したが見当たらない。

しょうがないのでYoutubeで「September」を聴いてみたが、なんとなく速くなっているくらいしか感じられず、眼だけでなく聴力も落ちているのかと思ってフッとため息をつくのである。(敬称略)

2ちゃんねる実況

NHKで10月8日に放映されたドキュメンタリー番組『Dr.Mitsuya 世界初のエイズ治療薬を発見した男 満屋裕明』。2ちゃんねるでも同時進行でコメントが多数寄せられた。

番組開始と同時にスレッドがたち、終了までの50分間で約1000本のコメントが入った(Dr.MITSUYA〜世界初のエイズ治療薬を発見した男 1|実況)。

今回の番組内容には「ノーベル賞もの」とか「やっぱアメリカすげーなぁ」、「カッコイイおっさんだな」といった肯定的なコメントが多かったが、劇画が使われたことで「また変なところでアニメだよ。いいかげんにしろよ」とか「妙に自分語りが多い番組」といったさまざまな視聴者の本音が書き込まれた。

それはテレビを観る人たちの飾らない思いであり、社会が本音化した姿でもある(社会を本音化させたインターネット )。

なかには「オシャレな時計やね」と満屋氏の腕時計に感心したコメントもある。視聴者は番組を追いながら、あらゆるところに眼をはわせ、情報を取捨選択している。極めて普通のことだが、ネット社会以前はこうした本音は朧(おぼろ)なままだった。

それがネットによって顕在化され、避けて通れない現実となったことに少しばかりの嫌悪を覚えながらも、最近は「すべて受け入れましょう」という気持ちでいる。

エボラ

あまり煽りたくはないが、エボラ出血熱の感染がひろがっている。

先月末にJBPressで書いた記事(エイズよりはるかに怖いエボラ出血熱、蔓延の兆し)の続報をお知らせしたい。

記事中でパトリック・ソイヤーさんという方がナイジェリアで亡くなったと記した。彼と接触のあった方が首都ラゴスと飛行機で何人もいて、感染が心配だったが、憂慮していたとおりの展開になりつつある。

ナイジェリアではすでにソイヤーさんを世話した看護師の方が亡くなった。さらに今週半ばまでに7人の感染者が判明し、現地の報道(8日)によると新たに5人がエボラ・ウイルスに感染しているという。それ以外にソイヤーさんと接触のあった27人が監視体制のなかに置かれている。

恐ろしいのは致死率の高さだけでなく、感染後3週間以内に発病し、患者によっては数日で死亡してしまうスピードの速さだ。

アフリカ以外では、すでにサウジアラビアのビジネスマンが西アフリカへの出張後、帰国後ジッダで亡くなった。スペイン人神父はリベリアで感染後、現在マドリードで治療中だ。アメリカ人2人もアトランタの隔離病棟で治療を受けている。

西アフリカでは医師や看護師が死亡していることも恐怖心を助長させている。ただウイルスを蔓延させない適切な処置をすれば感染は防止できる。

日本も他人事ではない。厚生労働省は「いますぐ感染者・患者を治療できる」という体制だけは整えておかなくてはいけない。