これからが本当の戦い:2020年大統領選(38)

米民主党の全国大会が終わり、明日(24日)から共和党が民主党と同じようにバーチャルの党大会を開く。トランプ大統領が党の代表として正式に再選をスタートさせることになり、大統領選はいよいよ本格的な戦いに突入する。

現時点でのトランプ・バイデン両氏の支持率は調査会社によっても違うが、数カ月前には両氏には10ポイントほどの開きがあったが、いまは縮まってきている。

バイデン対トランプはいま「CNN:50%対46%」、「ラスムッセン・リポート:48%対44%」、「ザ・ヒル/ハリスX:45%対39%」、「フォックス・ニュース:49%対42%」といずれもバイデン氏がリードを保つが、7月15日に数字を出した時よりも開きが減った(トランプの自滅に終わるのか:2020年米大統領選(36))。

“劇薬”を副大統領候補にしたバイデンの損得勘定

米民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)がカマラ・ハリス上院議員(55)を副大統領候補に指名したことで、大統領選はいよいよ佳境に入る。

ただハリス氏の選択は、過去の大統領選の事例と比べると異質なものと言わざるを得ない。

さらに、ハリス氏を選んだことでバイデン氏が民主党代表候補になってから進めてきた「静かな選挙戦略」が壊れ始めてもいる。 バイデン氏はそれを認識したうえで、本当にハリス氏を適任者として選んだのか。本稿ではこの2点について詳述していきたい。

from Twitter

まずハリス氏の指名は過去20年間、民主党大統領候補が選んできた副大統領候補とはいささか趣が違う。というのも民主党ではこれまで候補とは違う考え方の人物、党内的には穏健派を指名する流れがあった。

2000年の大統領選でアルバート・ゴア候補が指名したのは自分よりも穏健なジョー・リーバーマン上院議員だったし、2004年にはジョン・ケリー候補もハト派といえるジョン・エドワーズ上院議員を指名した(続きは・・・ “劇薬”を副大統領候補にしたバイデンの損得勘定 )。

トランプの自滅に終わるのか(2):2020年米大統領選(37)

前回、当ブログでアメリカ大統領選について書いたのが7月15日(トランプの自滅に終わるのか)。その時、最後に「バイデンの躍進というよりトランプの自滅と述べた方が的確かもしれない」と記した。

その後も状況は変わらず、トランプの支持率は低迷したままだ。支持率を飛躍的に回復させる最善策はコロナを収束させることだが、投票日(11月3日)までに間に合うとは思えない。むしろ現政権によるコロナ対応の悪さが目立ち、バイデンの圧勝という結果に終わるかもしれない。

さらに今日、トランプにとって悪い数字がギャラップ社から出された。7月1月から23日にかけて行われた調査によると、回答者のたった13%だけが「国の現状」に満足しているという結果だった。これほど低い数字は世界同時株安が起きた2011年11月以来のことである。

ただ同時に、共和党の岩盤支持層がトランプをあと押ししているのも事実ではある。「隠れトンラプ支持」と言われる人たちは、何が起きてもバイデンに一票入れることはないだろう。キニピアック大学の世論調査では共和党の84%がいまでもトランプを支持していると回答している。

数字だけを眺めると13%と84%は矛盾する。それは調査対象者と質問の仕方によって数字が変わるからなのだが、今後3カ月、トランプは逆風の中を進まざるを得ないのは間違いない。(敬称略)

トランプの自滅に終わるのか:2020年米大統領選(36)

新型コロナウイルスの感染がアメリカで広がれば広がるほど、反比例するようにしてトランプの支持率が下がっているようにみえる。過去数週間、トランプ対バイデン両氏の支持率の推移はますますバイデン優位に動いていて、バイデンが各種世論調査で10ポイントほどのリードを保っている。

ハーバード・ハリス調査 はトランプ44対バイデン56 、ラスムッセン・リポートはトランプ40対バイデン50、エコノミストはトランプ40対バイデン49 、USAトゥデイも41対53でバイデン優位である。

共和党は過去半世紀ほど、南部と中西部の州を奪ってきているが、もしかすると今年11月の選挙では民主党がテキサス州を含むいくつかの保守地盤を切り崩すことになるかもしれない。

それは民主党「バイデンの躍進」というより、共和党「トランプの自滅」と述べた方が的確かもしれない(敬称略)。

カニエ・ウェストはどこまで本気か:2020年米大統領選(35)

世界一のラッパーといわれるカニエ・ウェスト氏(43・Kanye West)が米独立記念日の4日、ツイッターで大統領選への出馬を表明した。

文面を読む限り真剣に出馬を考えているように見うけられるし、ドナルド・トランプ大統領に「あと4年任せるわけにはいかない」とのメッセージが内包されているようにも思える。

実は、ウェスト氏は突発的に大統領選への出馬を表明したわけではない。というのも2015年、公共の場で2020年大統領選にでたいと述べたことがあり、何も驚くべきことではない。35歳以上のアメリカ人であれば、誰にでも出馬する権利はある。

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ましてやトランプ人気が下落し、対抗馬のジョー・バイデン候補の全米レベルの支持も圧倒的と言えるまでにはいたっていない。いわば「つまらない選挙」の年なので、若者から圧倒的な支持を集められそうなウェスト氏が加われば、選挙への関心が高まるし、多くの票が集まることが予想される。

すでに民主・共和両党の予備選はほとんど終わっているため、両党からの出馬はない。あとは独立候補としての道を歩むことになる。ウェスト氏が本気ならば、各州で署名活動を行って投票用紙に名前を載せなくてはいけない。氏の総資産は13億ドル(約1400億円)と言われており、献金活動をしなくとも11月まで戦うだけの資金はある。

政治家としての経験がないので、有能な参謀を集めて高質な政策を打ち出さなくてはいけない。政治的リーダーシップも問われるし、本人の本気度がすぐに問われるだろう。今回のニュースが単なる話題づくりだけで終わらないことを祈りたい。