2020年米大統領選(27):ブダジェッジ躍進

最初の予備選であるアイオワ州党員集会が終わった。

民主党では70歳代の候補が多いなか、38歳の民主党ピート・ブダジェッジが日本時間2月5日正午現在(開票率62%)、トップ(26.9%)にきている。開票率が100%になった時に現在2位のバーニー・サンダーズ(25.1%)に抜かれるかもしれないが、私がここまで予想してきた展開と言えるだろう。

アイオワ州でジョー・バイデンが1位通過することはないと踏んでいたとおりの展開になりそうだ。同氏はサウスカロライナ州やスーパーチューズデーで少し巻き返せるかもしれないが、1月27日のブログ(2020年米大統領選(25):バイデンは弱い候補?)で記したように、勢いは感じられない。早々に撤退ということもあり得る。

今後はサンダーズ対ブダジェッジの戦いに移っていくと読む。ブダジェッジの躍進は年頭に期待したとおりで(今年、注目すべき米関連ニュース3点)、「もしかするともしかする」かもしれない。オバマの時もそうだったが、同性愛の史上最年少大統領という斬新さが世界を騒がせるかもしれない。

ただ次回2月11日のニューハンプシャー州予備選では、サンダーズが勝つだろう。というのも、サンダーズは同州から遠くないバーモント州の上院議員で、ニューイングランド地方では健闘すると思われるからだ。

また選挙から目が離せない日々が続きそうである。(敬称略)

2020年米大統領選(26):トランプも驚くサンダース躍進

米大統領選がいよいよ本格的に幕を明ける。

共和党は現職大統領のドナルド・トランプの再選で党内がまとまっているいるが、民主党は混戦のままだ。

その中でいま浮上してきているのが、バーモント州上院議員のバーニー・サンダーズである。

全米レベルでは今でも前副大統領のジョー・バイデンがほとんどの世論調査でトップにきているが、2月3日のアイオワ州党員集会(コーカス)と同11日のニューハンプシャー予備選に限ると、サンダーズが首位にきている世論調査結果が多い。

民主社会主義者を名乗る同氏が混戦の中から抜け出すのだろうか(続きは・・・米大統領選:トランプも驚くサンダース躍進)。

2020年米大統領選(25):バイデンは弱い候補?

民主党レースは数カ月前から「トップ4による戦い」と言われてきた。私もそう発言してきた。だが今月20日、「ニューヨーク・タイムズ」が全米の世論調査で現在5位の上院議員エイミー・クロブシャーを推薦。ニューハンプシャー州で最大の日刊紙「マンチェスター・ユニオン・リーダー」もクロブシャーを推薦して、予備選レースは4強から5強に移っていくかもしれない。

米新聞が特定候補を社説などで「イチオシ」する動きはアメリカの伝統的な慣習だが、大手新聞が推薦しても、その候補が勝てるわけではない。クロブシャーはABCテレビのインタビューで「私はどの候補よりも多くの新聞社から推薦を受けている」と胸を張ったが、今後2週間でどこまでやれるだろうか。見ものである。

過去1年、全米レベルでの支持率という点では、バイデンがずっとトップを走ってきた。いまでも多くの州でバイデンがリードを保つが、予備選最初の州であるアイオワと次のニューハンプシャーで勝ち進むかは微妙なところである。

from Youtube

私が否定的な見方をする理由が3つある。1つ目はバイデンの両州での支持率がトップを維持していないことだ。勝ったとしても圧勝にはほど遠い。安定した力強さがない。かつての副大統領で、誰もが知る人物であり、穏健派ということだけで消極的な支持が集まっているかに見える。

2番目は人望のなさだ。先週アイオワで開かれた集会には数十人しか聴衆が集まっていなかった。あまりにも寂しい。4年前のトランプや12年前のオバマの時は、どの会場も入りきらないくらい人が埋まり、まるでロックスターが登場したかのような騒ぎになった。だがバイデンの場合、まるで「望まれていない演歌歌手」が現れたかのようだった。すべての集会がそうではないが、「バイデンが近所に来るなら是非とも聴きに行こう」という人が少なすぎる。

3番目の理由は選挙資金である。大統領候補として、あまりにもカネが集まっていない。トップ4の中では4番目である。政治資金調査を行っている非営利団体「オープンシークレッツ」によると、バイデンの選挙資金集金額はここまで3676万ドル(約40億円)。サンダーズは約2倍、トランプは4倍強の資金を集めているだけに、あまりにも頼りない。有権者のバイデンへの期待値が高ければおのずと献金する人が増え、集金額も多くなるものだが、そうはなっていない。

バイデンが選挙戦をトップで走り続けられたとしたら、それは私にとっての「大きな驚き」になる。(敬称略)

2020年米大統領選(24):あと3週間で予備選がスタート

日本時間15日午前、米アイオワ州デモインで予備選前最後の討論会が行われた。

民主党候補6人が顔を揃えた討論会のテレビ中継を観た。6人というのはジョー・バイデン、バーニー・サンダーズ、エリザベス・ウォーレン、ピート・ブダジェッジ、エイミー・クロブシャー、トム・ステイヤーの各氏である。実際に代表候補になる可能性があるのはバイデンからブダジャッジまでの4人だろう。

今日の討論会ではバイデンが豊富な外交経験と見識を示して一歩リードしていたが、米軍がイラクとアフガニスタンに留まるべきかという質問では、6人の意見は割れた。バイデン、ブダジェッジ、ステイヤー3氏は駐留しつづけるべきとの考えだが、サンダーズ、ウォーレン両氏は撤退すべきとの主張だ。

貿易政策でも候補の意見は対立している。トランプが自画自賛しているUSMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)について、バイデン、クロブシャー、ステイヤーは賛成の立場で、ブダジェッジとウォーレンは修正が必要としながらも新NAFTAといわれる貿易法案に賛成している。唯一サンダーズが反対で、トランプ政権が主導した法案内容よりも「よりベター」な条約を模索すべきと言い続けている。

一般有権者が候補に求めるものはさまざまで、政策よりもトランプに本当に勝てるかどうかを重視する人もいれば、より安全な世界を実現できるのは誰かと問う人、また健康保険政策を何よりも大切にする人、さらに環境問題への良策を判断基準にする人など多岐にわたる。

私は今年で大統領を追って28年になるが、毎回新たな発見や驚きがある。今回も予期せぬ展開があるのだろうと思って冷静に眺めることにしている。(敬称略)