2024年大統領選:バイデン対トランプ?

次の米大統領選(2024年)まであと3年ほどあるが、米メディアはすでに次期大統領戦について多くの報道をしている。

3年後の11月に現職バイデンは82歳になる。さすがに多忙を極める米大統領を86歳まで勤め上げることは無理があるとの論調もあれば、「無理に思われることを可能にすることこそが米大統領」との意見までさまざまだ。

バイデンは現時点ではやる気満々との意向が伝わってきている。さらに最新の「ポリティコ・モーニング・コンサルト世論調査」によると、民主党員の60%はバイデンに再出馬してほしいとの立場であるという。

それよりも次期大統領選でより大きな関心が注がれるのが前大統領トランプ(75)の出方である。前出の世論調査によると、共和党員の69%はトランプに再出馬してほしいと答えているのである。ついつい「あのトランプをまた推すの?」というセリフが口から出てしまう。

もし2人の対決になれば、2回連続で同じ候補同士で大統領を争うことになる。さらにトランプが当選すれば、米政治史では一度落選して4年後に返り咲く2人目の大統領ということになる。最初は第22代、24代の大統領だったスティーブン・グローバー・クリーブランドだ。

いずれにしも高齢者同士の戦いとなるが、若くて優秀な人材が大勢いる米国なので、そろそろ代替りの時期であろうというのが個人的意見である。(敬称略)

バイデンに期待すること

ジョー・バイデン大統領は今月20日に79歳の誕生日を迎えた。歴代大統領の中では最も高齢で、昨年11月に当選を果たした時、1期4年だけの大統領になるかもしれないとの憶測が飛びかった。だが最近になって2期8年を務めるつもりであるとの意向が伝わり、ジェン・サキ報道官も22日、バイデン氏は24年の大統領選に再出馬し、「それが彼の意向だ」とはっきりと述べた。

3年先のことは誰もわからないが、現時点でバイデン氏は精神的にも体力的にも80歳半ばまで大統領をやれると感じているのだろう。もしかすると、2期8年を務めあげることは「無理かもしれない」との思いも心中にかすめているかもしれないが、現時点で「もう続かない」と弱音(本音)を吐露することは、政治的にかなりのマイナスになるので、最後の最後まで強気の姿勢でいるとも思える。

というのも、最近のバイデン氏の支持率は40%を切るほど低迷しており、米国大統領の威信にかけても、本来であれば落潮の流れになってないことを見せなくてはいけない。米メディア報道のなかには、「過去1カ月間に話をした民主党員の中で、バイデン氏が再出馬する可能性を信じている人は1人もいなかった」といったかなり否定的な見方もある。大統領として弱みを見せられないと同時に、去りゆくリーダーには追従したくないという人の性を見越して、強がりになっているとも思える。

1月に大統領に就任して以来、私が特にバイデン氏から感じる危うさというのは、世界を先導していく大国のリーダーでありながら、国家レベルで進歩的な外交・経済政策を打ち出していないということである。いわゆる「バイデン・ドクトリン」と呼べるような外交・軍事・経済面での基本政策を提唱していない。やることといったら、議員時代の経験を活かした大型法案の成立くらいで、ドメスティックなところに終始しているところが気になる。

それが「ジョー・バイデン」という政治家の限界でないことを祈りたい。

おカネで買えないもの

ドナルド・トランプが再び大統領選にもどってくるかもしれない。他メディアですでに記したように、次の大統領選に再出馬する可能性の方が、いまは高いと考えている( トランプ氏が多額の資金調達、大統領選へ準備着々トランプ氏が次の大統領選へ始動)。

ただ取材を続けていく中で、個人的にはトランプという人間を知れば知るほど嫌いになっていく自分がいることに気づく。理由の一つは、カネですべてを解決できると思えるような価値観を抱いているところだ。「カネで買えないものはない」といった考え方を信奉している人間を好きになれるはずもない。

端的に述べるならば、「カネで買えないものはない」と思うことほど浅薄な思想はないと考える。思想と呼んではいけなかった。単なる愚見だろう。というのも、本当に手に入れたいものはカネでは買えないからだ。簡単なことである。ハワイ州を買いたいと思っても安全保障上の理由から購入は無理である。国家間での土地の売買は可能であるが、21世紀になって異国の地を買うことは容易ではない。ハワイのコンドミニアムは買えるし、大金持ちであれば小島を購入することくらいはできるだろうが、ハワイ州そのものを手に入れたいと思っても叶わない。

カネがあっても空を飛ぶことはできない。飛行機やドローンを使ってではない。人間の四肢で大空を翔ることである。人間は地表を走れるし、海や湖で泳ぐことはできるが、空は飛べない。その点でカネは何の役にもたたない。

さらに学歴をカネで買うことはできない。知識や教養も買えない。思いやりや他人への配慮といったものも無理である。そして最も重要な「愛」というものを紙幣で手にいれることはできない。 そうなると、私が本当にほしいものはすべて買えないものと断言してもいいくらいで、安いモノだけがカネで売買されていると思えるほどである。時計やバッグ、車、そして家や土地などは相対的には安い買い物といえるかもしれない。

だからトランプが選挙資金を個人資産から賄い、湯水のように使えば当選を果たせると思わせたくないのである。 「おカネで買えないもの」もあったと悟らせたいのである。(敬称略)

抵抗し続けるトランプ氏:2020年大統領選(56)

11月3日の本選挙が終わり、12月14日の選挙人による投票も終わり、すでに勝負はついたはずだが、トランプ大統領はいまだに抵抗をやめていない。日本では大統領選の報道が少なくなったが、トランプ氏はいまでもツイッターに「米国史上最悪の選挙不正があった!」(20日)と書き込んでいる。

前日の19日には「バイデンは選挙に勝っていない。6州のスイングステート(激戦州)で大きく負けている。何百、何千という得票が各州で捨てられた」と記した。すでに共和党議員を含む多くの共和党員はバイデン氏の勝利を認めているが、トランプ氏と熱烈な支持者はいまだに戦いの姿勢を崩していない。

不正があったとの主張は多くの訴訟件数にもあらわれているが、これまで共和党側は「不正の首謀者」の名前を挙げて糾弾してきていない。単に不正があったという話だけでは訴訟で勝てるわけがなく、裁判所が門前払いをするのも無理はない。たとえば「ペンシルベニア州ではこの男が不正を行った張本人です」といって容疑者を出しているわけではない。

それでも、実際に不正が行われたとの話は複数ある。たとえばテキサス州のラス・ラムズランド前下院議員(共和党)の主張がある。1カ月ほど前のことだが、同議員はミネソタ州の複数の地域で不正があったと述べた。有権者数よりも実際に投じられた票数の方が多かったというのだ。

特に同州ベンビル・タウンシップという村では、投票率が350%だったと指摘。これが本当であれば、どこかで不正が行われたはずである。だが投票した人が有権者の3.5倍も多かったというのはウソだった。同村は人口が85人しかいない小村で、登録有権者は71人。その中で今回投票した人は63人であり、実際の投票率は89%。350%というのは大ウソだった。

トランプ氏と共和党はどこまで突っ張るつもりなのだろうか。