もっと強く出ていいーー。
ホワイトハウスで日本時間17日、トランプ大統領(以下トランプ)と会談した赤沢経済財政・再生相は、「格下も格下と直接話をしてくれたことに感謝している」と語り、相変わらず日本的な自身を卑下する姿勢でいることに呆れてしまった。
私は1982年にワシントンに渡り、90年からジャーナリストとして日米会談を長い間注視してきたが、日本の首相や閣僚が米大統領におうかがいを立てる姿勢は何十年たってもかわらない。こうした「大統領閣下、お目にかかれて幸栄です」的な態度でいるかぎり、米国に交渉の主導権を握られることは当たり前で、日本的な相手を敬う態度は理解できるのだが、こうした国際的な会談や交渉の場ではマイナスに作用することの方が多いので、強気な姿勢で臨まなくはいけない。
自民党の政治家はすでにこうした交渉術を会得しているかと思っていたが、まだまだ始めから「1本取られる」ような姿勢はいただけない。いくらトランプであっても対等な立場で臨むべきであって、プッシュするくらいであっていい。それによって日米両国の緊密な同盟関係が崩れることはないし、何でも言い合えるという関係こそが重要なのである。
こうした国際交渉の場では、どの国も自国の利益を追求してくるのが当たり前で、トランプが強気で攻めてくるのであれば、日本も負けずに強気で対抗し、日本側の主張をとことん突き詰めていけばいい。(敬称略)