「世界に希望が残されているとしたら、それは名もなき人々に」

昨日(7月26日)の朝日新聞夕刊に「ゲド戦記」の翻訳者である清水真砂子さん(82)のインタビュー記事がでていた。「人間の弱さを認めて生きていくところから真の人生がはじまる」という言葉に納得し、全文を読んだ。

ゲド戦記の作者ル・グウィン氏は物語のなかでも記しているが、「世界に希望が残されているとしたら、それは名もなき人々の中にある」という。「オレがオレが・・・」と出しゃばるのではなく、ワン・オブ・ゼムでいることの尊さや豊かさを悟るべきだという。

さらに「人に助けを求める力」を持つともっと生きやすくなると説く。社会では往々にして、助けを求めることにマイナスのイメージがついてまわる。弱者と捉えられてしまうからだ。しかし、実際は助けを求められる方も信頼されることで力をもらうことになる。助けを求め、求められて生まれるつながりが「人を生かしていくのではないでしょうか」と述べる。そしてこうも言う。

「忙しすぎると喜びに気づけないかもしれない。忙しさを脱出する力を持たなきゃ、潰されてしまいます。時には上司や組織と賢く闘うことが必要です。その人らしくあるためには、納得のいく仕事をする時間をもたないといけない」

納得である。あとは実践あるのみである。