オミクロン:最悪の事態はこれから: 新型コロナ(54)

つい先日、米国では新型コロナの1日の感染者数が100万人に達したことで、「来るところまできた」との思いが広がった。なにしろ日本ではまだ累計で約175万人なので、改めて米国の感染者数の多さに驚かされた。

ただ米時間7日、米政府の首席医療顧問を務めるアンソニー・ファウチ博士が最悪の事態はまだこれからという主旨の発言をしたことで、さらなる驚きが広がった。それは1月下旬にかけて、新規感染者数が連日100万になると示唆したからだ。その時期にピークに達するという。

今後は1週間ごとに約500万人がコロナによる体調不良を訴える可能性があり、経済と市民生活に重大な支障がうまれるかもしれない。オミクロンはデルタ株に比較すると重症化する比率が低いが、感染が広がれば、多くの感染者が自宅待機を余儀なくされることになり市民生活に大きな影響がでる。

米ワシントン州シアトル市にあるワシントン大学医学部保健指標評価研究所も1月下旬に感染者のピークがくると予想しており、同時期に3800万人が感染する可能性もあるとの数字をだした。オミクロンが世界で最初に確認された南アフリカでは12月中旬から感染者が減っているが、国によって状況が違うことは歴然としている。

日本が今後、オミクロンを含めたコロナ感染をどこまで防止できるのか。肝要なのは一人一人が感染防止の意識を高めて、しっかり行動することである。

中国市場への変わらぬ想い

最新号の『ビジネスウィーク』誌に興味深い記事が出ていた。西側の金融機関は中国政府の規制の厳しさや新型コロナによるビジネスの閉塞性にもかかわらず、これまで以上に中国本土での投資を加速させたい意向であるという。

モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス・グループ、さらにJPモルガン・チェース、シティーグループなどは中国本土での金融業務の拡大を画策し、利益を増やしたいとの意向をもつことは以前から知られていた。世界最大の人口を抱える国である以上、ビジネスのやり方次第で大きな収益が見込めることは当たり前のことである。

ただ北京が西側企業の活動を取り締まってきたばかりか、米国内からは中国政府の安全保障政策への異論や人権問題での不適切さが指摘され、中国から手を引くようにとの声もでていた。それでもシティグループなどは今年、中国で先物取引を行う許可を取得予定で、中国国内で100名ほどの社員を採用するつもりだという。

ただこれまで、ビジネスの拡大を目指してきた西側企業が中国で損失を計上することは少なくなかった。だがここにきて、現地パートナーと長年ビジネスの関係を構築してきた企業などが新しいビジネス・ライセンスを取得したりして、成長を見込める段階になってきている。

JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモン会長兼CEOは、「中国は多くの顧客とJPモルガンにとって世界最大の機会の1つである」と述べている。語り尽くされてきた感のある中国市場だが、本当のビジネス機会は実はこれからなのかもしれない。

歳を重ねるということ

私は今年6月で65歳になる。いわゆる「高齢者」というカテゴリーに入ることになるが、それは他人が決めた定義であって、自分がどう年齢を捉えるかで多くのことは変わってくる。

ただ最近よく思うのは、歳を重ねるにしたがってモノゴトに新鮮さを感じなくなってきたということだ。新しいことが起きたり、面白いことに遭遇したりしても、以前どこかですでに経験したり、同じようなことを体験していることが多くなった。歳をとれば当たり前のことだが、それを経験を積んできた証拠であると前向きに捉えるのか、それとも新鮮なことに感動しにくくなってきたと捉えるかは自分次第である。

過去何十年と多くのことに接してきた中で、本当の意味での「斬新なモノゴト」には出会わなくなってきているが、新年に思うのは、心を今まで以上にリフレッシュさせて、心を純粋に保つことはできるということだ。それは本人の心がけ次第であるはずだ。

さあ、今年も張り切って行きたいと思う。