ウクライナ:軍事衝突か

ウクライナ情勢が緊迫してきている。バイデン政権は、ロシアがウクライナにいつでも軍事侵攻できる段階にきていると判断し、米時間24日に米軍8500人を周辺地域に派遣すると発表した。

私は「バイデンノート」というものを作っていて、バイデン政権の動きを日々記録している。それによると昨年12月9日、バイデン大統領は「ウクライナには米軍を派遣しない」と発言していた。少なくとも1カ月半前までは、バイデン氏は軍事衝突は望んでいなかったし、経済制裁にとどめておくと述べていた。

年が明けた1月6日の段階でも、こう述べている。「(ロシアがウクライナに軍事侵攻した時は)ロシアの経済と金融システムに非常に大きな代償を負わせる」と言うにとどめ、米軍の派遣には及んでいない。

しかし過去数週間で、バイデン氏は強硬策へと傾いていく。これはホワイトハウスに、ロシアのウクライナ侵攻の情報が確実にあげられてきたということであり、プーチン大統領は米側の経済制裁にはまったくと言っていいほど影響を受けていないことを意味する。

ロシアの専門家の中には、軍事侵攻は起きない可能性が高いと述べる人もいる。というのも2014年にロシアがクリミア半島を併合した時、同地に住んでいた230万人がロシア市民になったことで、ロシア政府はかれらの年金や諸々の手当ても面倒みなくてはいけなったというのだ。

プーチン氏はウクライナでまた同じことをするだろうか。今後数週間で、ウクライナ情勢は大きく変わるかもしれない。