中国の海洋進出:防波堤として期待されるフィリピン

「フィリピンが対中政策のカギになり得る」

米国のある研究者と話をしている時にでてきた発言である。東アジアの安全保障状況はいま、米中という対立軸の中で緊迫度が高まっている。

中国が虎視眈眈と狙いを定める台湾をはじめ、拡張主義的な動きは東アジアだけでなく、東南アジア諸国にも及んでいる。その中でフィリピンの存在は大きいと同研究者は述べる。

歴史を振り返ると、1980年代に米国のロナルド・レーガン大統領はフェルディナンド・マルコス大統領をうまく利用していた。冷戦時代、共産主義勢力の世界的な拡大に対抗するため、米国はマルコス大統領が独裁者であることを十分に認識していながら支援し続けた。

フィリピンが共産国になるくらいなら、米国との関係を維持できる独裁国のままでいいという判断である(続きは・・・中国の海洋進出:防波堤として期待されるフィリピン)。

今日のお宝(29):ビリヤニ食堂

東京、北千住駅から歩いて5分のところに「ビリヤニ食堂」がある。テレビで紹介されたこともあり、厨房はフル回転。入店するまでに1時間ほど待ったかいがあり、個人的には2014年にインドで食べたビリヤニ以来の深みのある味で大満足だった。

どこまで踏ん張れるのか:新型コロナ(52)

日本の新型コロナウイルスの新規感染者数は依然として少ないままで、何よりかと思う。このままゼロの方へ向かっていってほしいものだが、諸外国の新規感染者数を眺めると、増え始めている国と日本のように抑え込めている国に分かれてきているかに見える。

急減の理由:新型コロナ(51)で述べたように、日本の感染者が急減した理由はまだ専門家でも明確につかめておらず、今後ふたたび増える可能性は十分にある。理由を定められない以上、不確かさは残るので急増することもあるだろう。

11月24日の数字を眺めただけでも、諸外国の新規感染者は増えているところが少なくない。米国は11万1272人。減るどころか、このところ増加が続いている。英国も過去2カ月ほど、大きな変化はなく24日は4万2435人の感染者をだしている。ドイツは過去1カ月、急増と言っていい増え方で、24日は7万9051人。フランスは落ち着いていたが、このところ3万を超えてきている。ロシアも3万2555人という数字だ。

ただ日本のように新規感染者数が増加していない国もある。たとえばアルゼンチンは今春、1日3万超の感染者数だったのが、11月24日は2234人だ。インドネシアも今年7月には1日5万人を超える日もあったが、24日は451人。フィリピンも840人と落ち着いている。カナダも今夏は1万人を超えた日もあったが、24日は2676人だ。

感染者増を押さえ込んでいるのはたぶん複合要因によるもので、「この1点」といったピンポイントになるものではないだろう。いずれにしても個々人が感染に注意することが前提になる。

バイデンに期待すること

ジョー・バイデン大統領は今月20日に79歳の誕生日を迎えた。歴代大統領の中では最も高齢で、昨年11月に当選を果たした時、1期4年だけの大統領になるかもしれないとの憶測が飛びかった。だが最近になって2期8年を務めるつもりであるとの意向が伝わり、ジェン・サキ報道官も22日、バイデン氏は24年の大統領選に再出馬し、「それが彼の意向だ」とはっきりと述べた。

3年先のことは誰もわからないが、現時点でバイデン氏は精神的にも体力的にも80歳半ばまで大統領をやれると感じているのだろう。もしかすると、2期8年を務めあげることは「無理かもしれない」との思いも心中にかすめているかもしれないが、現時点で「もう続かない」と弱音(本音)を吐露することは、政治的にかなりのマイナスになるので、最後の最後まで強気の姿勢でいるとも思える。

というのも、最近のバイデン氏の支持率は40%を切るほど低迷しており、米国大統領の威信にかけても、本来であれば落潮の流れになってないことを見せなくてはいけない。米メディア報道のなかには、「過去1カ月間に話をした民主党員の中で、バイデン氏が再出馬する可能性を信じている人は1人もいなかった」といったかなり否定的な見方もある。大統領として弱みを見せられないと同時に、去りゆくリーダーには追従したくないという人の性を見越して、強がりになっているとも思える。

1月に大統領に就任して以来、私が特にバイデン氏から感じる危うさというのは、世界を先導していく大国のリーダーでありながら、国家レベルで進歩的な外交・経済政策を打ち出していないということである。いわゆる「バイデン・ドクトリン」と呼べるような外交・軍事・経済面での基本政策を提唱していない。やることといったら、議員時代の経験を活かした大型法案の成立くらいで、ドメスティックなところに終始しているところが気になる。

それが「ジョー・バイデン」という政治家の限界でないことを祈りたい。

幼少の頃に、、、

JR赤羽駅の東口に行く用事があり、「赤羽中央街」という商店街を歩いていると、懐かしい佇まいの駄菓子屋が目にとまった。用事の帰りに立ち寄ると、もう何年も手にしたことのない駄菓子が店内に溢れていた。

地元の人たちにとっては「お菓子の種屋」は知らない人がいないほど有名らしい。カウンターの中にいた婦人に訊いた。

「このお店はどのくらいやっているんですか」

「70年!」

そう言い放ったあと、婦人は多くを語らなかった。昭和がそのままフリーズされて、「どこにもいかないわよ」と言っているようだった。私が買い求めたのは不二家のパラソルチョコレートと明治のマーブルチョコレート。