コロナ禍で活況の米不動産、金持ちがますます豊かに

ドナルド・トランプ大統領は政権最後に再び弾劾訴追に追い込まれ、政治的危機に直面している。

ただトランプ政権の危機は政治分野に限らず、経済分野でも深刻である。

本誌2020年11月30日付の拙稿「2021年正月、米国を最大の危機が襲う」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63070)で、年明けすぐに600万人超の米市民が家賃を支払えずに家を追い出される運命にあると書いた。まずその追記から始めたい。

昨春からの新型コロナウイルス蔓延により、米国でも失業者が増大して家賃を支払えなくなった人たちが増えた。すべての失職者が失業手当を受けられるわけではなく、多くの人は経済的に困窮した(続きは・・・コロナ禍で活況の米不動産、金持ちがますます豊かに)。

悪化をたどる米コロナ感染:新型コロナ(29)

コロナ感染者数の増加にともない、各種メディアはコロナ関連ニュースを大きく報じている。ただアメリカのコロナ事情を眺めると、日本とでは相変わらず比較にならないくらいの感染者・死亡者の数で、驚くばかりである。

9日時点でのアメリカの累計感染者数は約2219万人で、日本の約28 万と比較すると人口が日本の約2.5倍であることを考えても多過ぎる。さらに死亡者数もアメリカは37万人を超えており、日本の約4000人とでは比較にならない。それでも日本ではいま、緊急事態宣言が1都3県にだされ、今週中には関西3府県にもだされる予定だ。

日米での違いは他にもある。検査数である。アメリカは、日本が昨春からPCR検査数を故意に抑える動きとは逆で、できるだけ多くの人を検査しようとの意図が読める。それは数字に表れている。日本はこの点だけは見習うべきである。

ここまで、アメリカのPCR検査の総数は2億6366万件である。国民1人に1回のペースに近づきつつある。ただこの数字は総数なので、医療関係者などは1人で複数回を受けている人がいるが、それでもかなりの数である。

ところが日本は11日現在、空港検疫を含めて約511万件に過ぎない。ある人が「コロナウイルスに感染した疑いがあるので検査してください」と保健所に依頼をしても、容易に検査できない状況がいまの日本だ。

日米で事情が違うので、むやみに日米比較をすることは危険だが、日本はいまの10倍くらいの検査数を行う体制を整えるべきだろう。ワクチンが広範に行き渡るまでにはしばらく時間がかかるので、政府と個人レベルでの感染防止を徹底することは必須だ。

驚愕の瞬間

まずは下の動画をご覧いただきたい。

マックさんは生まれつき色覚異常を抱えているアメリカ人青年。誕生日に友人から色覚異常を矯正するメガネをプレゼントされた。

夜、寝る時もつけていたいという衝動にかられるかもしれない。

血迷ったトランプ

過去2日ほど、米連邦議会ではトランプ政権の最後の一悶着と呼べる騒動があった。

選挙人投票の結果はバイデン氏の勝利であったが、何がなんでも「トランプ勝利」にもっていきたい熱狂的な支持者たちは、連邦議会のガラスを叩き割って議会内に侵襲。米TVの映像を見る限り、南部連合の旗を掲げた侵入者たちはいわゆる「レッドネック」で、あとさき構わずに行動してしまった輩たちだった。結局4人が亡くなる惨事となった。

from Twitter

トランプ氏は昨年末から、こうした熱狂的な支持者に対して暴動もあり得るという内容を仄めかしていた。そのため今、トランプ氏こそが暴動を扇動して無政府状態を求めた張本人であると糾弾されている。

議会に侵入したところで結果が覆るわけもなく、個人的には「トランプ氏は罷免されるべきサイコパス」だと考えている。同氏を支持していた共和党保守派の人たちも政権最後になってトランプ氏の血迷った言動に落胆し、支持率を落としたと読む。それにより、ジョージア州での上院決戦投票でも共和党は敗れ、2議席とも民主党に流れた。自業自得とはこのことである。