2020年米大統領選(32):サンダーズの決意と慟哭

民主党候補のバーニー・サンダーズが米時間8日午前、選挙戦から撤退すると発表した。選挙スタッフたちとの電話会議で撤退の意向を告げている。さぞや悔しかったことだろう。

前回の同ブログ(2020年米大統領選(31):追い込まれたバーニー)で記したとおり、3月20日の時点でバーニーが勝てないことはわかっていた。そこにコロナ騒ぎが加わり、多くの州で予備選が延期され、バーニーも政治集会を開けない状況になって戦意を失うことになったのではないか。バーニーは同じ電話会議でスタッフたちに、「勝利への道は実質上なくなった」と話した。

ただバーニーは予備選の最後まで投票用紙に名前を残すことにしている。それはジョー・バイデンが党の代表になっても、党大会で採択される綱領に環境問題や公立大学の無償化など、バーニーらしい革新的政策を盛り込むために影響力を発揮したいからであるとしている。

前回選挙(2016年)でヒラリー・クリントンに党代表の座を奪われてから4年。ポヨポヨした白髪を揺らせながら、真剣なまなざしで有権者に語りかける姿を実際の現場で何度となくみてきた。78歳という年齢を考えると4年後の出馬は考えにくいので、個人的には残念である。

今年は同じ革新派のエリザベス・ウォーレンがいなければバーニーが党代表になっていた可能性があるし、4年前はヒラリーにかなり善戦した。下の地図をご覧いただきたい。

茶色の州が、ヒラリーが予備選で勝ったところで、緑色はバーニーが勝利を収めた州である。東北地域を含めた北部をバーニーが、カリフォルニアを含めた南部諸州をヒラリーが獲るという結果になった。

2016年は6月までもつれ込んだが、今回は4月初旬にバーニーが白旗をあげたことで予備選は実質的に終わってしまった。次に大統領選の話題で盛り上がるのは夏の党大会ということになる。