2020年米大統領選(31):追い込まれたバーニー

メディアはいま新型コロナウイルスの話題に「感染」させられてしまっているので、それ以外のテーマは隅のほうに追いやられている。だからアメリカ大統領選がどういう状況なのか、大きな話題にならない。

共和党ではいま、現職ドナルド・トランプが無風のなかで予備選を勝ち進んでいる。ニュースにすべきだが、誰も報道しない。共和党の予備選もしっかり行われているのだ。

民主党の方は当初、15人ほどが主要候補として注目されていたが、現在は2人になった。実は連邦選挙管理委員会に出馬登録を済ませた候補は、今年3月16日の段階で1071人にのぼる。ほとんどは「人生の記念」として出馬しただけだが、「今年は15人の候補が出馬して・・・」というメディアの表現は正確ではない。

残ったのは前副大統領ジョー・バイデンと上院議員バーニー・サンダーズである。

はっきり述べると、今後バーニーが民主党の代表候補になれるチャンスはもうほとんどない。2月3日から始まった予備選だが、3月20日の段階ですでに決まってしまった。予備選は6月まで続くが、バーニーがバイデンを負かすためには今後の予備選で、63%以上の代議員を獲得する必要がある。これはほとんど無理な話なのである。

11月3日はトランプVSバイデンという戦いになるが、今回も2016年選挙のように接戦になるためどちらが勝つのか、現段階では読めない。5州か6州が重要州になるが、郡ごとの勝敗予想まで追っていっても票は読めない。

現段階で「トランプが勝つと思う」と言う方は、単に所感を口にしているに過ぎない。(敬称略)