新型コロナ(7):日本のロックダウン

ここまで新型コロナウイルスが蔓延すると、あさ目が覚めた時に「倦怠感はないか、熱っぽくないか」と自分にいい聞かせるようになった。「だいじょうぶだ」で済ますが、すでにウイルスが体内に入り、症状がでていないだけかもしれないとの思いもある。

アメリカでは4月1日の段階で総感染者数は21万を超えた。ニューヨーク市をはじめ、すべての患者に医療を施せない状況になるのは時間の問題といわれる。

上のグラフは、全米の1日ごとのコロナ感染者数を表したものだ。ほぼ毎日感染者が増えている。過去数日は1日2万人以上の増加である。死亡者も増えており、5100人を超えたところだ。トランプ大統領は20万が亡くなるかもしれないとの数字をだした。

一方、日本の感染者総数はいま3000人台である。だがまったく安心できない。医療専門家はピークはまだ先であると予測しているし、ほとんどの国民も増え続けると周囲の状況から察しているはずだ。日米を数字だけで単純比較するのは危険だが、いまの日本は半月ほど前のアメリカの感染者数のところにいる。上のグラフの3月11日(一番左)を眺めて頂きたい。感染者数は247。日本では昨日(4月1日)の新たな感染者数が266だった。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が都市封鎖(ロックダウン)を宣言したのは3月20日である。アメリカで1日5000人以上の感染者がでてからのことだ。不要不急の外出は禁止され、買い物は1日1回に限定された。外出には許可証が必要になっている。

それからほぼ2週間がたつが、潜伏期間があるせいかロックダウンをしてもアメリカの感染者数は減っていない。日本が同じ道筋をたどるかどうかは誰も正確に見通せないが、日本政府はいま動くべきかもしれない。

欧米諸国のように、外出禁止令や都市封鎖といった法的権限は首相には与えられていないが「外出を控えるように要請します」ではやはりユルイのではないか。感染者が増えて死亡者が増えることと、経済活動が一時的に停滞するという選択では、自ずと答えがでるのではないか。

都市封鎖を行うには立法、行政で準備期間が必要だが、安倍首相は早急に動いて特例的な決断を下すべきだろう。