2020年米大統領選(24):あと3週間で予備選がスタート

日本時間15日午前、米アイオワ州デモインで予備選前最後の討論会が行われた。

民主党候補6人が顔を揃えた討論会のテレビ中継を観た。6人というのはジョー・バイデン、バーニー・サンダーズ、エリザベス・ウォーレン、ピート・ブダジェッジ、エイミー・クロブシャー、トム・ステイヤーの各氏である。実際に代表候補になる可能性があるのはバイデンからブダジャッジまでの4人だろう。

今日の討論会ではバイデンが豊富な外交経験と見識を示して一歩リードしていたが、米軍がイラクとアフガニスタンに留まるべきかという質問では、6人の意見は割れた。バイデン、ブダジェッジ、ステイヤー3氏は駐留しつづけるべきとの考えだが、サンダーズ、ウォーレン両氏は撤退すべきとの主張だ。

貿易政策でも候補の意見は対立している。トランプが自画自賛しているUSMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)について、バイデン、クロブシャー、ステイヤーは賛成の立場で、ブダジェッジとウォーレンは修正が必要としながらも新NAFTAといわれる貿易法案に賛成している。唯一サンダーズが反対で、トランプ政権が主導した法案内容よりも「よりベター」な条約を模索すべきと言い続けている。

一般有権者が候補に求めるものはさまざまで、政策よりもトランプに本当に勝てるかどうかを重視する人もいれば、より安全な世界を実現できるのは誰かと問う人、また健康保険政策を何よりも大切にする人、さらに環境問題への良策を判断基準にする人など多岐にわたる。

私は今年で大統領を追って28年になるが、毎回新たな発見や驚きがある。今回も予期せぬ展開があるのだろうと思って冷静に眺めることにしている。(敬称略)