男はつらいよ 50作目

いよいよ「男はつらいよ」が帰ってくる。

10月3日午後、50作目の「寅さん」を完成させた山田洋次監督(88)が日本外国特派員協会の記者会見に姿をみせた。一般公開は今年12月だが、今月28日から始まる東京国際映画祭に出品されたことで、この日の会見になった。

「渥美さんが亡くなって20年以上が経ちます。この映画を観たら、『オレ、びっくりしたよ』と言うでしょう」

というのも、50作目は過去のシーンを4Kデジタルで蘇らせたと同時に、柴又「とらや」の住人だった倍賞千恵子や前田吟、吉岡秀隆が新たなドラマを展開させることで完成した作品だからだ。

会見で私が「シリーズものの難しさと過去の作品で一番苦労したものは?」と訊くと、監督は「観客の期待を裏切ってはいけないし、同じものを出すわけにもいかない。同じ中でも違うものを提示するところに難しさがあった。過去の作品では48作目が一番苦労した。というのも(C型肝炎だった渥美氏が)持つかどうかというところだったから」とすぐに返答した。

最後に冗談交じりで、100歳までいけるかという話を笑いながら述べていた。