クリムト展

Klimt5.10.19

東京上野の東京都美術館(とびかん)で「クリムト展」を観た。グスタフ・クリムトは19世紀後半から20世紀前半に生きたオーストリアの画家である。

学芸員であれば、クリムトの画風を「妖艶で、甘美で、エロスに満ちた」と表現するかもしれないが、私には正直よくわからない。

繊細にして艶美なタッチは誰しもが認めるところだが、女性を感じるままに描ききったところにクリムトの全てがあるように感じられ、月並みな言い回しは陳腐でさえあるように思えた。

それは一度も結婚しなかったにもかかわらず14人の子どもをつくったクリムトの、性へ愛執そのものが作品に表れているようにみえたからで、彼の人間性そのものが出ていた。

だが美術館をでたあと、なんとなく不穏な気持ちになったのはどうしてだったのだろうか。