トランプの本性

トランプがまた毒づいた。米時間5月20日、イランに対して強烈なカウンターパンチを食らわせた。ツイッターでこう呟いている。

「イランが(米国との)戦いを望むなら、その時はイランが本当に終わる時だ。だから決して米国を威嚇するなよ!」

民主国家の大統領が使うべき表現ではない。

他の大統領であっても、同じようなことを考える人はいるだろうが、言葉を選ばないといけない。アメリカが本気になって米軍を総動員させたらイランが敵わないことは子どもでもわかる。だからこそアメリカは配慮ある言動をしなくてはいけない。

高圧的なツイッター外交は止めないと恥ずかしい!

ある思い出

高校2年の夏、私はキャンプに憧れて一人でテントと寝袋を背負って八ヶ岳の麓にキャンプをしに行ったことがある。はんごうでご飯を炊き、ボンカレーの食事が連日続いたが、憧れのキャンプ生活はすべてが新しくて楽しかった。

キャンプ生活ができれば満足だったが、キャンプ場のそばを多くの登山者が通過していく。上をみると、八ヶ岳連峰のいくつもの山頂が見えた。その時に初めて登山というものを意識した。

ガイド本を見ると、単独行の高校生でも天狗岳(2646m)という山は登れそうだった。そしてキャンプ場から軽装のまま、天狗岳の山頂に立った。いま思うと少し無謀だったが、天気が良かったのが幸いした。新たな快感だった。

東京に戻ってバイト先の女性に山の話をすると、「あなたは新田次郎を読むべきよ」と言った。多くの山岳小説を残した小説家に私は没頭し、それ以後ほぼすべての新田次郎作品を読むことになる。初めて体験する愉悦だった。

なぜ当時の思い出を書いたかといえば、普段の生活のなかで「キャンプ」「八ヶ岳」「新田次郎」のどれかの言葉と出会うと、すべてが折りたたみ式紙芝居のようにつながって表出するからである。

そしてもう一つ、新田次郎を薦めてくれた歳上の女性の顔も思いだされる。少しばかり大げさに書くと、地平線まで続くお花畑の花をすべて凝縮させたかのような華やかさを持った人で、ずいぶん歳は上だったがほのかに憧れていた。

いまどうしているかは知らないが、アドバイスにはいまでも感謝している。