今日思うこと

最近、書く原稿の本数が増えている。毎月このブログを入れないで30本くらいだろうか。ありがたいことである。

ただインターネット時代に入り、紙の全盛時代より一般的に原稿の長さが短くなった。さらにネットの原稿料は新聞・雑誌の原稿料より安いので、数をこなさざるを得ない。

それでも私にとっては好きな仕事ができているのでいろいろな方に感謝するしかない。2月初旬にはアメリカのビジネスものの単行本も出る。

今日、ニューヨークに住む長年の友人が発行する『週刊NY生活』の1面で大統領選の記事を書いた。ご一読頂ければ幸いである。

今年のマジックナンバーは1144!

10日に行われた大統領選のニューハンプシャー州予備選でも前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニーが1位で通過した。

アイオワ州党員集会でも最も多くの票を集めたが、次点の前上院議員リック・サントラムとは8票差しかなかった。互いに3万票以上の票を集めながらの8票差である。だが、2位のサントラムにも代議員が割り当てられる。

アメリカの大統領選挙は実に複雑である(アイオワ州党員集会:意外に順当 )。一般投票の他に代議員というものが州ごとにあり、それを全米50州で積み重ねていく。アイオワ州には28人、ニューハンプシャー州は12人が割り当てられていた。

蓄積された代議員数が今年の共和党であれば、1144人に達した段階で事実上の代表候補となる。

得票数の割合で代議員を取り合い、アイオワ州ではロムニーが13人、2位のサントラムも12人を得ていた。ニューハンプシャー州の代議員は12人だけなので1位のロムニーは4人である。

テキサス州やカリフォルニア州などは代議員数も多く、獲得できる数も多いので一気に加算できる。ここまでロムニーは17人。マジックナンバー到達はまだまだ先である。(敬称略)

年が明けてからワシントンにいるアメリカ人弁護士がメールを送ってきた。友人はいわゆる「コーポレート・ロイヤー」で、企業の法務問題を専門に扱う弁護士だ。

メールには新春のメッセージと今年のアメリカ財界を展望する私見が述べられていた。

「2011年と比較すると企業倒産軒数は2倍近くに増えるでしょう。リーマンショック後ほどではないですが、企業は生き残りをかけて大々的なリストラを敢行せざるを得ないからです。企業の組織再編という意味のリストラです。社債の債務不履行率が昨年の1.4%から3%前後に上昇すると見られます。金利を支払えなくなるのです。金融機関が資金を貸さなければ、あとは倒産しかありません。」

200億円から1000億円規模の企業破綻がいつくか起こると予測している。さらに驚くべき業界にまで倒産の波が及んでいる。電力だ、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

ここはどこの国でしょうか

                                                 

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<答:アメリカ、ワシントンDC。ポトマック川と並行して流れるチェサピーク・オハイオ運河>

アイオワ州党員集会:意外に順当

アメリカ大統領選挙の予備選の筆頭として3日、アイオワ州で党員集会(コーカス)が行われた。

相変わらず日本のメディアは、誰が勝ったかを伝えるだけで、ニュースの受け手側は周辺の事情がまったくと言っていいほどつかめない。テレビニュースではせいぜい1分。新聞も100行程度の原稿なので無理もないが、もう少しわかりやすく伝えてほしい。

4日朝、ラジオ出演して5分ほど話をしたが、それでも私が伝えたいことの10分の1ほどでしかない。ニュース報道の限界を感じるが、インターネットでは無制限勝負なので、こうした場で少しでも多くのことを伝えられればと思う。

予備選にはコーカスとプライマリーの2種類がある。州ごとに投票システムが違う。たとえばアイオワ州のコーカスは州内でもシステムが違い、公開投票だったり記名式投票だったする。ただ大勢が公民館などに集まって挙手で決めていくのがコーカスだと思って頂ければいい。

一方のプライマリーは日本の投票と同じような記名式だ。いまだに紙の投票用紙のところもあるし、コンピューターのモニターを使う地域もある。有権者1人1人がブースに入って投票する。

アイオワ州から始まった予備選は、州ごとに順次行われ、6月26日のユタ州で終わる。それまでに共和党の代表候補になるために必要な代議員(州ごとに割り振られている:この点は後日述べる)を蓄積していく。

今年の共和党レースは、昨春からほぼ1ヵ月ごとに支持率トップの候補が入れ替わってきた。過去10日ほどは元上院議員のリック・サントラムが上昇気流に乗っている。

アイオワでは前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニーとほぼ互角の得票数で、現在もっとも注目されている候補だ。だが今月10日に行われるニューハンプシャー州のプライマリーではほぼ間違いなくロムニーが勝つはずだ。

アイオワでサントラムが健闘したのは、過去半年どの候補よりもアイオワに足を運んですべての郡を訪れたからである。費やした日数は200日を超える。一方のロムニーは12月21日までに14日間しか同州に来ていなかった。サントラムが善戦して当たり前である。

むしろ4年前の選挙で、ロムニーはアイオワに全力を注いだが大敗しており、今回はほとんど「ラッキー!」といった印象である。そうした意味で、ロムニーは順当な滑り出しと言っていい。(敬称略)