アメリカ大企業の功名な節税のカラクリ

オンライン検索最大手のグーグルが過去3年、アメリカ国外の営業活動で31億ドル(約2500億円)もの税金を節約していたニュースは、多国籍企業だけでなく世界中の財界の話題をさらった。

グーグルが利用した節税手法は「ダッチサンドイッチ」と呼ばれる手法で、財界では依然からよく知られていた。近年は是正される方向にあるが、現在でも多くの企業がグーグルと同じ手法で節税の恩恵にあずかっている。

それはアメリカの多国籍企業の税収を眺めれば一目瞭然である。2004年のアメリカ財務省の資料によれば、彼らの国外での総利益は7000億ドル(約56兆円)に達していたにもかかわらず、アメリカ政府に支払われた税額は160億ドル(約1兆2800億円)に過ぎなかった。税率はたった2.3%である。ほとんど脱税の世界である。

ただ、資料によっては数字にばらつきがある。ミシガン大学とノースカロライナ大学が共同で行った2005年の調査では、アメリカ企業2000社の平均法人税率(実際に支払われた税率)は28.3%であった。ちなみにアメリカの法人税の実効税率は35%、フランスも約35%、ドイツは約30%で日本は先進国では最も高率の約40%である。

「ダッチサンドイッチ」のダッチはDutch(オランダ)、つまり諸外国で稼いだ利益を一度オランダに移し(サンドイッチ)、高額の法人税を回避する手口である、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

デトロイト再生のカギ

10月中旬、アメリカ自動車業界はGMのIPO(新株式公開)の話題で盛り上がっていた。
         
なにしろ1728億ドル(約13兆円)というアメリカ製造業史上最大の負債規模で破たんした企業である。昨春の段階では、政府が膨大な税金をつぎ込んでも本当に再建されるかどうかは意見が割れていた。
しかしGMは今、IOPどころか黒字を計上するまで回復してきている。                                                           

今月のアメリカ取材で、消費者によってはトヨタ車よりもGMをはじめとするデトロイト製の車の方が今は「買い」であるとの声さえ聞いた。そればかりか、フォード車はトヨタ車より消費者からの苦情数が少ないとの調査結果も出ていた。                                                                                          トロイト再生のカギは何なのか、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

危機に立つ病院経営への示唆

病院が儲からない―。

どうしたら病院という組織の利益率を上げられるのか。患者を助けることが使命ではあるが、存続できなければそれもかなわない。その一例をこのコラムで示す。それはビジネスの世界でも通用するノウハウである。

けれども現実は、多くの病院の負債は膨らみ続けている。日本でもアメリカでも同じである。日本では現在、全国に約8700の病院があるが、1990年には1万を超えており、過去20年で千以上の病院が閉鎖された。閉鎖とは聞こえはいいが、倒産
したのである。

特に公立病院(国立と自治体)の経営状況が悪い。悪すぎる。9割弱が赤字経営である。赤字経営でも、これから黒字に転化する可能性があればいいが、資産処分を行っても債務を返済できない債務超過の病院が7割に達している。

診療報酬という公定価格があることで、日本は先進国に比べるとかなり低価格の医療を受けられる利点はある。だが一方で、それが病院側にとっての「ガン」になっている。診療費が上げられず、収益減による職員の減給、離職、倒産という
図式ができている、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

オバマ政権の『反成長』という現実

アメリカでも日本でも、あらゆる産業の中心を担っているのは中小企業である。いつの時代も大手企業がメディアの注目をさらっているので中小は目立たないが、企業のほとんどは中小というカテゴリーに入る。

総務省が発表する「事業所・企業統計調査」によると、個人事業者を含めた企業数は日本全国に432万社あり、中小企業の占める割合は実に99.7%におよぶ。アメリカの企業数は約2377万社で、中小企業の比率は日本とほとんど変わらない。

オバマ大統領はかねてから中小企業の再生を誓い、政府の援助を惜しまないと語ってきた。7月末、ニュージャージー州のエディソン市に出向いて中小企業経営者との対話集会を開き、こう鼓舞した、、、続きは(堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

By the White House

2グループに分かれ始めたアメリカ企業

アメリカの主だった家電メーカーがアメリカ国内でテレビを製造しなくなったのは20年以上前のことである。

業界再編や日本企業との市場争いで後退し、ゼネラル・エレクトリック(GE)を始めとする大手メーカーは国内でのテレビ製造を止めていく。携帯で名前が浸透しているモトローラも元々テレビを手掛けていたが、74年にテレビ部門を現在のパナソニックに売却した。唯一残っていたゼニスも95年に韓国企業に買収され、テレビを製造するアメリカ企業は消えた。

白熱球も今月、同じ運命を辿った。

トーマス・エジソンが19世紀に発明した電球は、本来もっともアメリカらしい家電パーツと言えたが、GEは9月にアメリカで最後まで残ったバージニア州の工場を閉鎖し、これからは製造をメキシコへ移転させる、、、、、続きは(堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』