オバマ経済学

オバマ大統領がホワイトハウスの住人になった2009年の秋、ワシントンで取材中、シンクタンクの研究者が言った。

「オバマ氏はカネ儲けを邪悪と考えているようだ。基本的に理念の人だし、市民活動家としてこれまで反ビジネスの立場にいた。その証拠に誰一人として財界人を閣僚に抜擢していない」

あれから2年。その話は研究者の話というレベルでは収まらなくなった。企業の営業活動はオバマ政権による規制により多少なりとも抑制された。大企業のCEOで構成されるビジネス・ラウンドテーブルは昨年、そうしたオバマ大統領への苦言と提案をリポートにまとめ、ホワイトハウスに提出した。そこには米財界のフラストレーションが綴られていた。

しかし中間選挙で民主党が大敗し、連邦下院の過半数を共和党に奪われたことで状況は一変した。オバマ大統領は共和党と妥協しなくてはワシントンの政治が前に進まない。手を組まなければ法案を通過させることはできない。

状況がよく把握できない人たちはこの「ねじれ」をワシントン政治のさらなる劣化と呼んだ。財政赤字と経常赤字の双子の赤字はすぐに解消せず、失業率も9%台で高止まりしている。経済成長率が鈍化する中で、オバマ政権は身動きができないと捉える。けれども状況は逆である、、、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

2011年、中国企業との新しいつき合い方

中国とどうビジネスをするのか―。

中国進出への新しいトレンドが浮かび上がってきている。特に欧米企業の中国関与の施策が時代とともに移り変わり、過去1年で新しい動きがある。

話を進める前に、過去における中国企業とのかかわりを総括してみたい。長年、多くの企業トップは中国市場への出方で悩み続けてきた。

BRIC’sの中でも中国が抜きん出た勢いで経済成長を続け、日本企業も何らかの形でその波に乗るべきと考えるのは当然だった。しかしこれまで、「中国とのつき合い方には気をつけないと失敗する」「狡すっからい国だ」という批判が後を絶たず、慎重論も多かった。

経済産業省が発表した統計をみても、近年は新規設立よりも撤退・移転の方が多くなっている。

04年から08年の5年間で、日系企業の新規設立は04年の211社から107社(08年)へと半減している。逆に撤退・移転企業数は04年の92社から151社に増えている、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

ネット時代に逆らうビジネスモデル

いつの時代にも流行に逆らう者がいる。

テキサス州ダラスに本社を置くオーダーメイドのシャツメーカー「J.ヒルバーン」社は今の時代にあっても、オンライン販売どころか店舗展開すらしていない。しかし不況下の今、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長している。

歴史ある老舗がネットビジネスに逆らっているわけではない。創業は2008年。起業者はウォールストリートの金融業界にいたビジネスマン二人だ。ネットに疎いどころか、ネット時代だからこそ人との直接的な触れ合いを大切にするビジネスモデル
を確立した。

顧客だけの特注品を仕立て、それを大量販売へと結びつけようとしている。創業者の一人ヒル・デイビス氏は、創業前、2万円以上する他社のオーダーメイド・シャツを愛用していた。それを知っていた妻が、男性用のオーダーメイド製品を手頃な価
格で提供するビジネスに着目した、、、、、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

ワザあり:小売業界のこれから

先日、講演の依頼を受けてアメリカの最新ビジネス事情についての話をした。聴衆は東京商工会議所の商業部会に所属する大手企業のCEOや会長である。

講演前、ある大手デパートのトップと話をする時間があった。最近の景気を訊ねると「ひどいものです」と首を大きく振る。黒字を計上していても、多くの企業トップは大きな業績の伸びがない限り、謙そんして「ダメです」と言いがちである。だが、実際の売上概況は確かに低迷していた。「ひどい」という言葉はウソではない。

全国の主要デパートの10月の売上は前年同月比でプラスだったが、9月までは31カ月連続でマイナス成長を記録していた。10月は32カ月ぶりにプラスに転じただけで、伸び率はたった0.6%に過ぎない。

デパートの売上の40%以上はアパレルである。近年、ユニクロを始めとするファストファッションに食われ続け、デパートで衣類を買う人は減っている。アパレル業界は過去2年、岐路に立たされてきた、、、、、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

失墜するのか、ジャパン

テレビや新聞は今起きていることに関心を向ける。メディアの性格上いたしかたない。それだけに見逃されている重大な危機がある。

その一つが日本の国債のデフォルト(債務不履行)へのカウントダウンである。

私が指摘しなくとも、すでに内外の経済学者やエコノミストが口にしている。けれども一般国民や日々の諸事を追っているメディアの多くがその危機を実感していない。

これは日本が第二のギリシャになりかねないということであり、自分の銀行預金からキャッシュを引き出せなくなるという危機である。私の周囲にいる東京の外国人特派員や諸外国の財務担当者は本当に危惧していて、「日本から逃げた方がいいな」という冗談ともいえない話を真剣に交わしている。

今月も、FT(フィナンシャル・タイムズ)のヘニー・センダーが「日本はバブルから20年、最悪の金融事態を迎えるか?」というコラムを書いた。内容は格段に新しい事実を述べているものではない。このまま日本が財政赤字を放置したら、本当に大変なことになるということを淡々と語っているだけだ。

国の借金はすでにGDPの200%に達しようとしている。一般会計予算(2010年度)92兆円のうち、実に44兆円を国債で賄っている。その蓄積が900兆円という借金に膨れている。全国の銀行は資産の約65%を国債で持っており、国債が暴落した時は日本は麻痺する。

国債の多くは日本人がもっているから安心という話はもう過去の話である。1400兆円の金融資産があるから大丈夫という話も、2014年には借金がGDPの300%に達するという見方で打ち消されてしまう。

そうなると、国債デフォルトに陥って預金封鎖、極度の円安、ハイパーインフレという事態に陥らないとも限らない。当然、日本の金融機関が抱える65兆円といわれるアメリカの国債は売りに出されることとなり、日本だけでなく世界的な金融危機を招くことになる。

世界では国の借金がGDPの90%を超えた時点で、経済活動は鈍化するといわれている。日本はすでに2倍以上である。いち早く借金を減らして税収を上げる措置をとらないといけない。

それ以上に、メディアや国民がこの問題を真剣に論じて政府を動かす必要がある。それでないと日本は金融破綻を引き起こす道をただひたすら進むだけとなる。