ワクチンの必要性:新型コロナ(33)

新型コロナウイルスの猛威はいまだにとどまるところを知らない。アメリカではすでに1億回以上のワクチンが接種されたが、いまだに1日5万人以上の新規感染者がでている。日本では3月20日の全国新規感染者数は1517人。アメリカの人口が日本のほぼ3倍と考えてもケタが違う。

コロナに関しては悲嘆にくれるようなニュースが多いが、米ファイザー社と独ビオンテック社が共同開発したワクチンが、ブラジル型の変異株にも有効であることがわかったという明るいニュースもある。

ただいくら日本の感染者数が欧米諸国やブラジルなどと比較して少なくとも、ワクチン接種は大切である。アナフィラキシーを心配されている方もいるだろうが、日本はできる限り早い時期に、あらゆる手を尽くして全国民へのワクチン接種を行うべきである。

日本政府のワクチン・アクセスへの初動が遅れたこともあるが、日本が3月中に確保できるワクチン数は約230万で、少なすぎる。ここまでワクチンを接種した人は人口の1%未満で、イギリス、アメリカなどは30%を超えている。それだけではない。イギリスなどは人口の3.4倍のワクチン総数を確保しており、残りは途上国に無償で提供する準備をしている。

幸いなのは、日本の感染者数と感染率が他国と比較すると低いことだが、それが気の緩みにならないことを祈りたい。

新型コロナの心もよう:新型コロナ(32)

新型コロナウイルスが世界的に蔓延しはじめてからほぼ1年がたつ。多くのかたは目に見えないところでコロナの脅威を感じ、コロナに威圧されることで鬱のモードに入っているのではないかと思う。うつ病という病名がつくまでにいたらなくとも、この社会状況では心を高揚感で満たすことの方が難しいのではないか。

そういう私も例外ではなく、青空と同化してしまうほど清々しい心持ちになる日はこのところほとんどない。友人や知人と会えば、相変わらず笑い声が溢れる会話になるが、一人になれば心の底には空虚感が占拠するような日も多い。

それは私の年代だと男性の更年期と重なっていることも原因で、疲労感や気力の衰えなどをおぼえるようになってきている。病院にはいっていないが、「男性更年期障害」とネットで検索すると、いくつも目を覆いたくなるような症状が並んでいる。

男性の更年期はテストストロン(男性ホルモン)の低下により、前述した疲労感や気力の衰えの他、性欲低下、不眠、肩こり、集中力の低下、イライラ、発汗、関節の痛みといった症状がでる。私は関節の痛みこそないが、それ以外は深刻ではないけれどもすべて当てはまっているようにも思う。

それが歳を重ねるということであり、老いるということなのはわかるが、「チクショー」と叫びたくなるのも事実である。

マスクはもうしない?:新型コロナ(31)

変わり身の早さがアメリカの特徴といえば言えなくもないー。

今月2日、アメリカ南部テキサス州とミシシッピ州の両知事がマスク着用を終わらせて、商業活動の全面再開に入ると発表した。

このニュースを耳にして、「慌てすぎでしょう」という言葉が口からでたが、両知事は本気なのだという。すでに知事令が出ている。アメリカでは日本よりも早くから一般市民へのワクチン接種が始まっているが、医療関係者からはマスクを付けずにコロナ以前の生活様式に戻ることは時期尚早であるとの憂慮が示されている。

両州ではレストランなどの一般店舗の入店制限がなくなるが、今後は変異種が蔓延する可能性が高いことから、ワクチンを打ったとしても警戒しつづけなくてはいけないことは子どもでもわかる。

しかも両州の新規コロナ感染者はゼロに近くなったわけではないのだ。調べると、テキサス州の新規感染者は7240人(3月2日)で、ミシシッピ州(3月1日)は199人だった。特にテキサス州は感染が収束したとは言えず、この時期にマスクをつけず、元の日常生活にもどることは元の暗闇に舞い戻ることに等しいかもしれない。

コロナへの抵抗

過去1年ほど、ほとんどの方がコロナへの警戒心を強めているかと思う。風邪やインフルエンザと同じような症状がでる場合もあれば、ほとんど無症状の場合もあり対応が難しい。

無症状の感染者でも他者に感染させることがあるため、すでに多くの人は自分が感染しているという前提で人に接していたりする。いずれにしても、感染しない・させないために、できる限りのことをしなくてはいけない。

すべての人がPCR検査をしているわけではないので、私も含めて「たぶん今は感染していないだろう」という楽観的な思いを抱きながら日々を過ごしてる方が多いのではないか。願わくば昨夏あたりに感染し、無症状のままですでに完治し、いまは抗体を持っているという状況がありがたいのだが、そうはうまくコトが運ばない。

無症状の感染者であっても、発熱や咳や倦怠感がないだけで、あとから考えるとコロナの特徴的な症状といわれる息切れや筋肉痛、下痢、目の充血などがあったという場合もあり気が抜けない。

皆さま、「コロナは駆逐されました」と伝えられるまで、辛抱強く感染防止に努めてください。

感染者数、日本は世界37位:新型コロナ(30)

緊急事態宣言がいまだに10都府県にだされているが、少しずつ感染者数は減ってきている。ここまでの累計感染者数は約41万で、死亡者数は約6600。この数字を多いとみるか少ないとみるかは判断が分かれるところだ。

たとえばアメリカは、数字上では世界最悪で、ここまでの感染者総数は約2720万。数カ月後には、おおよそ10人に1人がコロナに感染するという計算になる。死亡者数もアメリカはすでに46万を超えており、日本とでは桁が違う。

ただアメリカとの単純比較によって、日本における感染者・死亡者が少ないと述べることは適切であるとは思えない。感染者数だけを他国と比較すると、日本は悪い方から37番目で、まだまだ努力が足りないと言わざるをえない。極端な例だが、ラオスのここまでの感染者数はたった45人だし、ドミニカ共和国は121人、カンボジアも478人と数百人台で推移している。

もちろん各国で人口が違うので一概に比較することは危険だが、それでも官民が一緒になってコロナの封じ込めに尽力しないとこの数字はあがってこない。たとえばベトナムの人口は日本に近い約9500万人だが、ここまでの感染者は2070人に過ぎない。こうした国は感染が拡大する前に都市封鎖をしたり、感染者の隔離入院をしたりと努力が功を奏している。

ほとんどの方は日常のマスク着用と手洗い(消毒)をしているだろうが、人との会食が穴で、あらためて気を引き締めなくてはいけない。