建前の重要さ

バイデン新政権が誕生し、トランプ政権とはいろいろな点で真逆の相形を呈している。それは表面的な顔つき(人材)といったことから内面(政策)にいたるまで、同じアメリカ人であっても「これほど違うのか」と思えるほどである。

その中でもハッとさせられたのは、ホワイトハウスの新しい報道官の言葉であり、態度だった。ジェニファー・サキ(Jennifer Psaki)という報道官はオバマ政権時の広報部長であり、国務省のスポークスウーマンでもあった人だ。

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バイデン政権初日の20日、記者会見でこう述べている。

「(バイデン)大統領の政治的目標はアメリカ政府に再び透明性と真実を取り戻すことです。耳にしたくないことであっても、皆さんとは真実を共有することを約束したい」

建前的な言説ではあるが、人としてこうした真っ当な理想を掲げられなかったトランプ氏とは目指すものが最初から違うことがわかる。100%実現できなくとも、少なくともそれに近づく努力はしますという姿勢と熱意が伝わってくる。

さらにマスク着用についてもトランプ政権時代とは真逆だ。サキ報道官は「ダブルマスク(2枚重ね)」を実践しているし、バイデン大統領もホワイトハウスのスタッフに「まず政権の人間がアメリカ人の手本となれ」と述べているという。まずはお手並み拝見である。