中東レバノンで17日に起きたポケベル爆破事件は衝撃的だった。すでに多くのメディアが詳細を伝えているので、事実関係には深く踏み込まないが、最初の爆発で12人が死亡し、3000人近くが負傷したという。そして翌18日には次なる攻撃が起き、あらたに20人が死亡し、約450人が負傷している。
イスラエルによる攻撃であることはほぼ間違いないが、イスラエル政府も対外諜報機関モサドも、ここまで沈黙を貫いている。ポケベルに爆発物が埋め込まれていたことによる爆発だが、イスラエル側は長期間にわたって計画し、爆弾を仕込んだことは間違いない。ヒズボラが発注した通信機器は5000台で、レバノンに到着するまえに爆弾が仕組まれたという。
今後、イスラエル政府が背後にあることが証明された時、一国家による殺戮行為としては最悪の部類に入ることになるだろう。ただ私が思うのは、今回の攻撃はイスラエル側にしてみると「計算違い」だったのではないかということだ。
というのも、映像で見る限り、かなり鮮烈な爆発が起きているが、最初の爆発でなくなった方は12人。負傷者は3000人という数字で、イスラエル側にしてみると死亡者が予想よりもかなり少なかったのではないか。つまり、攻撃側は1000人単位でヒズボラメンバーを殺戮したかったが、実際はそこまでいかなかったというのが真相なのではないか。そう思えてならない。
これは今後、イスラエルとヒズボラの抗争がずっと継続されることを意味するし、攻撃がより過激になっていく可能性が高い。日本はいったい何ができるだろうか。