ハリス勝利の予想:アラン・リクマン

米国では大統領選が熱を帯びてきている。9月5日に当欄で記したように、各種世論調査では、カマラ・ハリス氏(民主党)がドナルド・トランプ氏(共和党)をわずかにリードしているが、11月5日の投票日まで予断を許さない。

だが、1984年の選挙から当選者を的中させている政治学者がおり、この人はハリス氏であるという。この分野で私が最も信頼してきている政治学者、アラン・リクマン(Allan Lightman)氏(77)である。ハーバード大学で博士号を取得した同氏は、大統領に選出される候補の要件を「13」に分類し、それぞれを精査し、過半数である7以上の項目で相手候補よりも上にきていたらホワイトハウスに手が届くとしている。

その13の要件とは、①党からの支持、②党内での抗争、③現職かどうか、④第3政党の候補がいるか、⑤短期的経済動向、⑥長期的経済動向、⑦政策変更、⑧社会不安、⑨スキャンダルの有無、⑩外交・軍事政策の失敗、⑪外交・軍事政策の成功、⑫現職大統領のカリスマ性、⑬挑戦者のカリスマ性、となっている。

リクマン氏は現時点で、ハリス氏が8要件で有利に立っており、3要件で不利、残り2要件は未定であるとしている。同氏は米メディアに対し、「バイデン政権はいま、終わりの見えないガザでの戦争に深く関与している。同じ民主党のハリス氏がそれに引きずられているが、13要件のうち5つだけがネガティブなので、トランプ氏がホワイトハウスを奪還する可能性は低い」と述べる。同氏によれば次期大統領はハリス氏ということになるが、どうなるだろうか。