石破茂登場

筆者撮影

次期自民党総裁をめざす石破茂氏が6日、外国特派員協会の会見に現れた。始まるやいなや、「テレビで観るより怖くないでしょう」とおどけてみせた。

私は30年以上ジャーナリストをしているが、主な取材対象が国外であるため、石破氏をナマでみたのは初めてだった。テレビや新聞等でみるかぎり、お世辞にも取っつきやすい人には思えなかったが、1時間の会見で印象が変わった。石破氏は実に丁寧に言葉を選び、親しみが持てる話しぶりに終始し、語られた内容も好感がもてた。

正直に述べると、いまでも個人的には好きなタイプの政治家ではないが、会見からは誠実な人柄が伝わってきた。会見で語られた内容は多岐にわたったが、印象に残ったことをいくつか記したい。

まず、ウクライナでは抑止力が働かずにロシアの攻撃を受けてしまったという点に言及し、石破氏は「ウクライナは明日の北東アジアという話がある」とした上で、安全保障問題にきちんと対処するのが「わたしの仕事」と述べた。

さらに「TKB48」について言及した。TKB48というは、災害時に必要になるT (トイレ)K(キッチン) B(ベッド)を48時間以内に被災地に手配することを意味し、日本はあまりにも遅れていると指摘。「101年前の関東大震災と何もかわっていない」と言ってから、「台湾では3時間以内にTKBが届く」と発言した。体育館で多くの人がざこ寝をするような状態はプライバーシーが保たれず、「先進国では日本だけ」だと発言。

11月に米国で新しい大統領が誕生する点については、「どちらになるかはわからないけれども、日本の考えをきちんとした数字ときちんとした論理を使って説明していきたい」と理路整然と語り、好感度をあげた。