英語の話し方

数日前、有楽町の三省堂に立ち寄った。新刊本コーナーの横には、相変わらず英会話本がたくさん並んでいる。

ほとんどの方はこうした英会話本を数冊読んだとしても、英語がペラペラになるわけではないことはご存知だろう。自分の知らない表現や単語を覚えるといった点ではプラスだが、リスニング力を高め、喋る力を向上させることは書籍では無理である。

さらに、英会話学校に通ったり、ネット上で英語を見聞きしても思うように進歩しないと感じている方が多いのではないだろうか。私はアメリカに25年もいたので出来てあたりまえだが、最近はどうしたら日本の方が英会話を自然にマスターできるのか、再び考えるようになった。

究極的には、英会話だけはサクサクッと短期間でマスターする術はなく、「半年でペラペラ」といった宣伝文句は真実味がなく、地道な努力を続けるしかないということである。

何年か前に出会ったスウェーデン人の青年はほとんど英米人のレベルの英語を喋っていたが、彼はアメリカにもイギリスにも住んだことはないと言っていた。スウェーデンでは小学校2年から英語をはじめるので、多くの人は高校を卒業した時点で、普通に英語を話せるのだという。

スウェーデン語と英語の類似性というものもあるが、日本も文部省が抜本的に英語教育を見直して、会話中心の教育を小学校から始めれば、いまよりはずっとマシになるだろうと思われる。

北野武登場

11月15日午後3時。東京丸の内にある日本外国特派員協会の記者会見に現れた北野武氏。「本音を語り尽くした」といえるほど、普段彼が考えていることを思う存分に語った会見になった。

普段のテレビ映像からも、あまり隠し事をせずに思いついたことを述べる人との印象はあったが、「生タケシ」はそれ以上で、なぜ漫才の世界から映画の世界に入っていったのか、さらには新しい映画「首」の見どころなど、縦横無尽に語っていった。

「漫才は若くないとできない。アスリートというか、もう40歳くらいで追いつかないと思った。それで映画に手をだした」と素直に漫才から離れた理由を述べた。そしてこうも言った。

「いろんなことをやったが、何をやってもダメ。本当にいろいろなことに手をだした。自分にピッタリなことを探してきたが、自分がやってきたことにはそれほど満足していない」

これほど才能のある人は滅多にいないし、何でも器用にこなせるという印象だが、自分への評価は厳しく、『何をやってもダメ』と断言。これは謙遜も少し含まれるが、会場で聴いていた限りではこの言葉は本心で、本当にダメであるとの思いを持っているようだ。それだからこそ、「まだまだ俺はできるしやらなくてはいけない」との考えがあり、これからも活動しつづけようとのエネルギーが沸いてくるかにみえた。

新作映画「首」では本能寺の変が描かれているが、「NHKの大河ドラマではカッコイイ役者をつかって綺麗事を描くが、 織田信長は男色で、 そうした点は描かない。ドロドロとした人間模様も大事なところ」とサラッと語った。

北野氏は同作品で原作、脚本、監督、役者をこなしているが、本当は出演する予定はなかったと認めた。だが、彼が映画に登場しないと海外で宣伝しづらいという声があったのででることにしたという。こうしたことを会見の場で素直に認めるところに北野氏の魅力があると思った。

2024年大統領選:どちらが有利か

来年11月の大統領選は今後大きな波乱がなければ、バイデン対トランプの戦いになるが、現時点での2人の支持率はほぼ互角である。私がよく閲覧する「270towin」という、選挙に特化したサイトによるバイデン対トランプの二者択一の世論調査では、バイデン氏の46%に対しトランプ氏が44%である。この数パーセントの差異は今後1年でいかようにも変わるので、今後どう動くかに注視している。

私は1990年から現地で取材をしていたこともあり、大統領選へのこだわりはかなり強く、さまざまな視点から選挙を追ってきた。

バイデン氏は高齢であるが再選を望んでおり、民主党内での支持率は現在75%。大統領選では歴史的に現職が圧倒的に有利で、選挙資金も集まりやすい。最新の数字ではバイデン氏の集金額は9100ドル(約137億円)で、トランプ氏よりも上回っている。

ただ、大統領選は有権者の総得票数で争う選挙ではない。全米50州に割り当てられた選挙人をより多く積み重ねていく戦いで、選挙人の総数が過半数の「270」を獲得した候補が次期大統領となる。

たとえば、リベラル州として知られるカリフォルニア州の選挙人数は54。歴史的に民主党が同州を奪ってきており、現時点での数字はバイデン53%対トランプ30%で、もちろんバイデン有利である。逆に保守州であるテキサス州(選挙人数40)はトランプ45%でバイデン37%という数字だ。

ただ以前にも書いたが、「おじいちゃん対決」を脱して、夢のある未来を積極的に描ける若い候補に場を譲ることもアメリカらしさであり、個人的希望を述べれば、お二人には早めに退場してほしいと思うことしきりである。

日米の平均的な借金額

インターネットで調べものをしている時、アメリカ人の借金額という文字が目に入った。こうした数字はときどき目にするが、正確に覚えているわけではない。

Investopediaというサイトが出していたアメリカ人の平均借金額は$11,548(約179万円)。これは個人的な用途による借金額であり、住宅ローンは入らない。179万円を多いと判断するか少ないと判断するかは微妙なところだ。

それでは日本ではどれくらいなのか。指定信用情報機関のCICとJICCによると、1人あたりの平均借入額は約65万円だった。また借金をしている人の割合は個人であれば15.3%、2人以上の世帯では20.4%だった。ここでも住宅ローンは入っておらず、クレジットカードによる借り入れや大きな買い物などによる借金である。

当サイトで2カ月前、60代の平均貯蓄額について記した(60代の平均貯蓄額)が、今回は借金額を記した。