ベーリング海の漁業が危ない、漁獲量急減の原因とは

先日、知人の米国人記者と環境問題について話をしていると、彼が大変興味深いことを口にした。

「アラスカの漁業が崩壊している。ベーリング海の変貌が激しい」

ベーリング海といえば、東のカムチャッカ半島と西のアラスカ半島、そして南のアリューシャン列島に囲まれた太平洋最北部の海である。スケトウダラやズワイガニといった水産資源が豊富な「恵みの海」といわれる場所だ。

だがいま、オヒョウやカニ、サケの総数が激減しており、知人が述べるには「壊滅的である」という。いったい何が起きているのか。少し調べると深刻な状況がみえてきた。

例えばオヒョウの生息数が劇的に減ったことで、漁師の生活がままならない状況になっていた。アラスカ州南部のホーマー市は人口約5000人ほどの都市で、「世界のオヒョウの首都」といわれるほど、かつてはオヒョウの水揚げ量があった(続きは・・・ベーリング海の漁業が危ない、漁獲量急減の原因とは)。

ジェンダーを考える

朝日新聞が長い間シリーズで掲載している「ジェンダーを考える」は、日本社会がかかえる性別問題を浮き彫りにしている。

男女格差が先進国の中では最下位といわれる日本。多くの女性が不平等さを感じ、また実体験として虐げられた経験をもつ。それは男性にはなかなか分からない部分で、女性側が言い続けても男性側が問題の本質をきちんと理解し、改めていかない限り変わっていかない。

表面的なことだけでなく、賃金や昇給での男女格差はいまだに大きい。今日(9日)の朝日新聞朝刊でも、一面トップで大手電機メーカーでの話がでていた。国立大学理学部を卒業したある女性は、なかなか昇進できないでいた。ある日、上司にこう言われる。

「残念だけど、女性は男性の3倍くらい働かないと評価されないと思った方がいい」。さらに「君を部長にする気はない。だってMBAもってないじゃない」とも言われた。

女性は周囲の部長を見渡したが、MBAをもつ人は見当たらなかった。そして苦情を述べると、部長はこう言い放つ。

「彼らは僕の薫陶をうけているからね。君にはそういう教育をしていない」

これは差別以外のなにものでもなく、こうしたことを口にし、実行していることで、日本社会が確実に衰退していくことを理解しなくてはいけない。

ああ、情けない。

大谷翔平の本当の夢

久しぶりに帰国した大谷翔平が強化試合で大活躍している。彼の動きをテレビ画面で観ながら、「彼が本当に目指しているものは何なのか」という疑問が心中にわきあがり、ずっと考えていた。

すでに世界のトップ選手になった大谷だが、ただ漠然とプレーをしているわけではないはずだ。かなり高い目標を定めていて、それに向けて日々努力をしているのではないかと思う。少しネットで彼のことを調べると、高校1年時に「目標達成シート」というものを作っていた(下図)。

大谷翔平の目標達成表
高校1年時の「目標達成シート」

ちょうどシートの中央に「ドラ1 8球団」と書かれた枠が確認できる。これはもちろん「8球団にドラフト1位指名される」ということで、高校1年ですでに高い目標を掲げていた。そこにはまだ大リーグに行くということは書かれていないが、たぶん後年に別バージョンの目標達成シートをつくり、大リーグでの活躍を記しているのだろうと思う。

いま思うのは、野球人としての究極的なゴールをどこに据えているかである。大谷のことだから、ボンズが2001年に作った73本塁打を超える数字と、同じ年に投手として30勝をあげるくらいのことは想定しているかもしれない。

たぶん本人は言わないだろうが、私はそれくらいのことは考えていると思っている。

ウクライナ戦争で莫大な漁夫の利、そのインドに求められること

ロシアによるウクライナへの本格的な軍事侵攻から1年が経った。

西側諸国がモスクワを非難する中、インドは非難するどころか逆に露印関係をむしろ深めている構図が浮かび上がってきている。いったいどういうことなのか。

インドの人口は先月、中国を抜いて世界一になったと人口動態統計を扱う独立機関ワールド・ポピュレーション・レビュー(WPR)が発表した。ちなみに2022年末時点での人口は中国が14億1200万人だったのに対し、インドは14億1700万人。

インドは世界最大の「民主主義国家」になったことから、本来であればロシアのウクライナ侵攻を非難してしかるべきだ。しかし、非難していない。欧米諸国がロシアへの制裁措置としてロシア産の原油の輸入を削減しているなか、全く逆の動きに出てさえいる。(続きは・・・ウクライナ戦争で莫大な漁夫の利、そのインドに求められること)