ウクライナで戒厳令発動

20日早朝、ネットでニュース記事をひらくと、真っ先に「プーチン氏併合4州に戒厳令」というタイトルが飛び込んできた。

「やってくれるものである」というのが第一印象。多くの方も同じ印象を持たれたのではないだろうか。プーチン氏は9月末、ウクライナの4州(ドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソン)を自国領に組み込むと一方的に宣言。それだけでも「プーチンらしい横暴さ」がでた行動だと思ったが、今度は戒厳令である。

戒厳令というのは一般的に、戦時下において司法、立法、行政を軍部に任せるという意味である。正式にはロシアの上下両院の承認をへて発動がきまるが、プーチン氏が音頭をとっているかぎり、ほとんど決定と思ってさしつかえないだろう。

軍隊が社会を取り仕切るということは、民主的な手続きを踏まずにモノゴトが上からの命令できまるということであり、明確な理由がないままに、官憲に逮捕されることもあるということだ。もちろんウクライナ4州に住む多くの人たちは「たまったものではない」という思いを抱いているだろう。

上から強制的にモノを押しつけて、それで社会の平静が保てるとプーチン氏は本当に思っているのだろうか。歴史を振り返れば答えは歴然としており、早晩、プーチン氏は自身の政治生命の危機を迎えることになるだろうと推察する。