素晴らしき人生

「92歳になったいまも、幕末明治にまつわる文献の山と格闘しながら、週に原稿用紙6枚のペースで執筆を続ける、、、」  

こんな書き出しで、今朝の朝日新聞17面に、ある思想史家の記事が掲載されている。渡辺京二さんは今年7月に『小さきものの近代1』(弦書房)という最新刊を出版。これまで40冊以上の書籍を出版してきてなお、高齢を理由に執筆をやめようとしない。

「読めば読むほど、読むべき資料が増えていく。楽しい晩年のはずが、なぜこんなにしんどいことを続けているのでしょうね」と言うが、本人にとってはモノを読み、執筆することこそが生きがいであり、生きている証を感じられることなのだろうと思う。

いくつになっても人間はやり甲斐をみつけ、追求することが大切であることを教えられる。私もいちおう「モノ書き」を生業にしているが、渡辺さんの年齢まで書き続けていられるか疑問である。

自身にノルマを課しているようにも思えるが、それでも「休んでもいいんじゃない」「そんなに頑張らなくてもいいよ」といった内なる声が湧き上がってきて、年齢を重ねるに従って自分に甘くなる気がしている。

さあ、ピシッと小さな鞭を打ってみますか。