台風14号・・・

大型の台風14号が今にも九州に上陸しようとしている。中心付近の最大瞬間風速は75メートルと言われているので、このまま上陸するとかなりの被害が出ると予想される。

実は2年前の9月も超大型の台風10号が九州に接近していて、その時は最大瞬間風速が80メートルと言われていた。ただ幸いにも、上陸前に騒がれていたほどの被害はもたらさず、家屋の倒壊が広範囲にわたって起きることはなかった。

個人的には、1992年に米国で取材したハリケーン「アンドリュー」が最も印象に残っている。それまで米国ではカテゴリー5に分類されたハリケーンは3つしかなく、そのうちの一つだった。最も被害の大きかったフロリダ州ホーステッドに取材に行くと(写真)、そこはまるで空爆を受けた後のようで、自然の猛威がいかに絶大かを思い知らされた。一般の民家は根こそぎ倒壊していたからだ。

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全半壊した家屋は11万超で、通過した翌日に現地を歩くと、あまりの錯乱ぶりに「絶望」という言葉が脳裏をよぎった。こうした威力を目の当たりにすると人間の小ささを痛感させられるが、できる限りの準備をして備えるしかない。

晩夏に咲いたバラ

東京丸の内の仕事場の斜め前に、三菱一号館美術館がある。中庭がいつも綺麗に整備されていて癒される。今日の午後通りかかると、一輪のバラが咲いていた。夏を惜しむようでもあり、秋を迎えいれるようでもあり、なんとなく切ない気分になりシャッターを切った。

選挙資金から見たトランプ人気の爆発度、返り咲きの公算大か

ドナルド・トランプ前大統領(76)は2024年大統領選に出馬するのだろうか――。

本人は複数の場で出馬を仄めかしてはいるが、まだ正式に出馬表明はしていない。今年は中間選挙の年でもあり、次期大統領選まで2年以上もある。

ただ、大統領選には出馬表明の時期に制限がなく、前回の大統領選が終わった直後に次期選挙に出ると宣言することもできるため、4年間選挙活動をすることも可能だ。

さらに選挙資金についての規制も緩やかなため、ルールに則って資金を集める限り、無尽蔵に集金できるシステムになっている。

興味深いのは、トランプ氏がここまでに集めた資金の総額がかなりの額になっている点だ。超党派の非営利団体で、米国の政治資金動向を追っている「オープン・シークレッツ」によると、トランプ氏は前回の選挙でジョー・バイデン大統領に敗れて以来、約5億ドル(約710億円)も資金を集めているという。

しかもまだ出馬表明をしていないため、寄付者から集めた資金を自らの訴訟費用に使途したりしている。オープン・シークレッツの報告では、今年6月30日までに集まった資金総額は「5億ドルという控え目な見積もりより実際はもっと多い可能性がある」とさえ記している(続きは・・・選挙資金から見たトランプ人気の爆発度、返り咲きの公算大か)。

偏差値脳の弊害

日本はいまだに受験時の学力評価を偏差値というものに頼っている。大学入試の難易度は、模試での偏差値が基準になっており、偏差値45しか取れない受験生が偏差値65の大学に入ることはほとんど無理である。世間からはそこで「頭がいい、頭が悪い」と言われてしまうだけでなく、本人もそうした枠に自分をはめるようになる。

しかし社会にでて、偏差値の低い学校に行っていた人が創造的な仕事について大成功したり、説得力のある話術を身につけてビジネスで成功したりすることはいくらでもある。それでも多くの人は、いまだに偏差値入試での成功にお墨付きをあたえることが多い。

以前、脳科学者の茂木健一郎氏が偏差値入試の弊害を次のように語っていたことがある。

「 市川海老蔵は、僕に日本の教科書を読んだことがないと豪語しますが、ハーバード大学は歌舞伎役者として超一流の彼を合格させると思うんです。でも、日本の東大には彼は入れない 」

いまでも日本の入試を公正と考えている人は多いが、ある側面から学生の実力を測ることはできても、人間の総体を偏差値で測れないのではないかと思う。前出の茂木氏は「人間にはいろいろな尖り方がある」という表現を使って、秀逸さを形容する。海老蔵氏のように役者として尖っている人がいれば、学者として尖っている人もいる。さらに野球選手として尖っている人もいる。

違う方向に突出している人は本来比較できない。そのためには早い段階から自分の得意分野をみつけ、磨きをかけることが肝要ではないのか。