新聞が終わる日(2)

誰がいま新聞を読んでいるのか?

朝、仕事場に行くときに電車の中で新聞を読んでいる人は、ざっと見たところ一車両で一人いるかいないかである(その一人が私)。ほとんどの人はスマホに目をやっている。私は当欄でちょうど10年前、「新聞が終わる日(2012年5月27日)」というブログを書いて、そこで「新聞の役目はほとんど終わったと思える」と記した。

当時、すでにネット時代に突入していたので、紙の新聞はいずれは終わりを迎えることは誰もが予見できた。その時に書いたことだが、朝刊を読んでいると「いつのニュース?」という思いが湧き上がる。昨日起きたことは、ネット上では昨日のうちに知ることができるが、新聞紙面では半日から1日遅れる。だから、ネットニュースを読んでいる限り、即応性という点では新聞は太刀打ちできない。

新聞の発行部数も2005年の5300万部から減少の一途を辿っており、歯止めがかからない。朝日新聞ですら21年3月期決算で営業損益70億円の赤字を計上している。

ただニュースを伝えるという仕事が廃れるわけではない。むしろ、今後はネット情報が飛び交う中で、より正確なニュースが求められるため、今まで以上に良質なニュースを配信する必要が生じてくる。私も含めて、発信していく立場の人間はさらに切磋琢磨して、少しでも皆さまのお役に立つニュースを伝えなくてはと思っている。