順応する凄さ

この写真をご覧になって、たまたまうしろ脚で立ち上がった犬が写真に撮られたと思われるかもしれない。

実は、米コロラド州西部のユーレイという町に住むケイティー・パセックさんの飼い犬「デクスター」は、二足歩行する犬なのだ。6歳になるデクスターは5年前、交通事故にあって右の前脚に重症を負った。事故後すぐに獣医のところに運ばれたが、切断しか選択肢はなく、右脚を失った。同時に左の前脚も損傷を負っていたため、四足で歩くことはできなくなった。

傷が癒えるまで、数カ月かかった。だがパセックさんは、デクスターがうしろ脚2本で立ち上がり、みずから二足歩行を学習しはじめていたことに気づいていた。

いまでは「犬は二足歩行する動物」と思われるほど自然に立ち上がって歩く。順応という秘めた力には目を見張らざるをえない。