抵抗し続けるトランプ氏:2020年大統領選(56)

11月3日の本選挙が終わり、12月14日の選挙人による投票も終わり、すでに勝負はついたはずだが、トランプ大統領はいまだに抵抗をやめていない。日本では大統領選の報道が少なくなったが、トランプ氏はいまでもツイッターに「米国史上最悪の選挙不正があった!」(20日)と書き込んでいる。

前日の19日には「バイデンは選挙に勝っていない。6州のスイングステート(激戦州)で大きく負けている。何百、何千という得票が各州で捨てられた」と記した。すでに共和党議員を含む多くの共和党員はバイデン氏の勝利を認めているが、トランプ氏と熱烈な支持者はいまだに戦いの姿勢を崩していない。

不正があったとの主張は多くの訴訟件数にもあらわれているが、これまで共和党側は「不正の首謀者」の名前を挙げて糾弾してきていない。単に不正があったという話だけでは訴訟で勝てるわけがなく、裁判所が門前払いをするのも無理はない。たとえば「ペンシルベニア州ではこの男が不正を行った張本人です」といって容疑者を出しているわけではない。

それでも、実際に不正が行われたとの話は複数ある。たとえばテキサス州のラス・ラムズランド前下院議員(共和党)の主張がある。1カ月ほど前のことだが、同議員はミネソタ州の複数の地域で不正があったと述べた。有権者数よりも実際に投じられた票数の方が多かったというのだ。

特に同州ベンビル・タウンシップという村では、投票率が350%だったと指摘。これが本当であれば、どこかで不正が行われたはずである。だが投票した人が有権者の3.5倍も多かったというのはウソだった。同村は人口が85人しかいない小村で、登録有権者は71人。その中で今回投票した人は63人であり、実際の投票率は89%。350%というのは大ウソだった。

トランプ氏と共和党はどこまで突っ張るつもりなのだろうか。