新型コロナ(11):新たな感染者

当ブログで今月2日と5日にも出したグラフである。アメリカでの新たに新型コロナウイルス感染者は、4月4日の3万3000人超をピークに下降しはじめたかに見える。

ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センターが集計した数字で、右端の4月7日を見ると、1日の感染者が3万人を割っているのがわかる。グラフには出ていない最新(日本時間9日午前11時)の数字をみると、再び3万人の大台に乗り、感染者総数は43万2000人になっている。ピークを越したようにも思えたが、再び増える可能性もあり予断を許さない。

アメリカではここまで45州で外出禁止(ロックダウン)の行政命令がだされている。最初はカリフォルニア州(3月19日)で、翌20日にはニューヨーク州で発令されているが、感染者数の増加が止まるまでに半月ほどかかっている。

安倍首相が7都府県に非常事態宣言をだしたのが4月7日夜。もちろんアメリカとでは人口も行動パターンも違うし、ロックダウンのような厳しい制限が付帯されているわけではないので、感染者数の減少が数字となって表れるのはアメリカよりも時間がかかるかもしれない。いまは各自が自己を律する行動をとりつづけるしかない。(敬称略)

新型コロナ(10):複雑すぎる現金給付、アメリカとの比較

ヒトコトで言えば「役人らしい細かさ」ということになる。いや「役人らしい厭らしさ」と言うべきかー。

一世帯当たり30万円という数字がでた時に、多くの方は「30万円もらえる」と考えただろう。ところが自己申告制で、しかも収入が一定のレベルまで減少した人だけが対象になるという。

たとえば月給17万円の独身サララーマンの収入が9万円になっても支給されない。半額以下でないからだ。今回の現金給付で本当に対象になる人は約20%に過ぎないともいわれる。

「本気か?」「これで現金給付と呼べるか?」が本音である。

ここでアメリカの現金給付の話をしたい。「またアメリカか」と思われるかもしれないが、私はずっとアメリカにかかわってきているのでお許しいただきたい。

トランプが3月27日に署名したコロナ救済法案の中に、1人につき1200ドル(約13万円)の現金給付という項目がある。申請はいらない。黙っていれば小切手が送付されてくるのだ。小切手は銀行にいって自分の口座に振り込めばいいだけである。

この条件というのは、昨年の年収が7万5000ドル(約810万円)以下という1点である。もちろんパートナーがいる人や子だくさんの家族の世帯主などは給付額が変わるが、基本的に年収810万円以下の人であれば無条件で13万円がもらえる。アメリカらしい寛大さである。

安倍がやるべきことはこうした簡素化された現金給付のはずだ。しかもアメリカの方は法案成立が3月27日で、それから3週間以内にほとんどの人が小切手を受け取るという(財務長官ムニューシン)。社会がコロナで揺れに揺れている時だけに、国民を笑顔にする動きである。

一方の日本は官僚がルールを複雑化して、むしろ「支給したくありません」という思いが潜んでいるかのようだ。日本の行政はいまでも「アメリカを手本にして」という姿勢が内在しているはずで、今回の現金給付もトランプ政権にならってということだったかもしれない。

安倍が現金給付を決めたのはトランプの法案署名の1週間後の4月3日である。手本にするなら給付方法も徹底的に真似してほしい。(敬称略)

新型コロナ(9)どうすべきなのか

新型コロナウイルスの感染者が増え続けている。

4月2日の当ブログで、政府に対して「・・・『外出を控えるように要請します』ではやはりユルイのではないか」と書いた。同じ日にアメリカの感染者数のグラフも載せた(日本のロックダウン)。あれから3日しかたっていないが、アメリカの感染者はどうなったのか。

3日前は約21万5000人だったが、いまは31万を超えた。増加ペースは世界でもっとも速いし、すでに45州でロックダウン(都市封鎖)の行政命令がだされているにもかかわらず、感染者は減ってきていない。ロックダウンは州ごとに出されているので少しずつ中身がちがうし、潜伏期があるのでロックダウンを発令したからといって急に感染者がへるわけではない。

日本はアメリカほど速いペースで感染者は増えていないが、増え続けている事実に向き合うべきである。感染者数のカーブを眺めて唖然とする前に行政は手を打ってしかるべきだろう。

ただ肝要なのは、一人一人がウイルスに対する防御意識を高めて実践していくことである。手洗いやうがい、マスクの正しい着用、「三密」の場所に行かないといった基本的なことが感染者を減らす一番の近道なのだろうと思う。