トランプ大統領(以下トランプ)がまたグリーンランドを「ものにしたい」との願望を口にし始めた。当ブログでは2019年にすでにトランプのこの思いを記したが(グリーンランド not for sale)、何としても領有したいとの思いを以前よりも強くしているようだ。
各方面からさまざまな批判を受けたとしても、自分の願望を押し通すことに何のためらいもない人物なので、任期中になんとか実現させるために画策してくるはずだ。トランプは1月7日の記者会見で、「国家安全保障上の理由から、米国はこの広大で資源に富んだ島が必要である」と述べて、米国大統領という立場の人間が求めるのであればほとんどのことが叶うはずだといわんばかりに実現にむけて動きだした。
グリーンランドは言うまでもなくデンマークの自治領で、同国のメッテ・フレデリクセン首相は今年1月にトランプに対して「グリーンランドは売り物ではない。グリーランド人のものだ」と明言したが、トランプ本人はそんな発言はなかったかのように行動している。
実は、トランプのこの願望は2014年にプーチン大統領がクリミア半島を併合した時の思いに似ているとの見方がある。大国であれば自分たちの願望を押し通しても、結果的に自分たちの求める形に収まるという「大国の論理」である。本来であれば、デンマークもグリーンランドも反対の立場であるため、米国がグリーンランドを領有することは叶わないはずだが、トランプが強引にひねり技を使ってものにする可能性もないことはない。ここは世界中の市民が反対を表明してもいいのではないか。