人間は戦争をやめることができるのか

死者1000人-。

シリア北西部で続く暫定政府の治安部隊とアサド旧政権残党の衝突で、過去3日間で兵士約260人、市民 約740人が命を落としたという。これだけの人数が短期間で死亡したという事実に驚愕すると同時に、日本で生活しているかぎり実感として受けいれることは難しい。

私はこれまでちょうど50カ国を訪れてきたが、シリアには足を踏み入れたことがないし、戦場といわれる危険地域にも行った経験がない。兵士であれば死というものを覚悟しなくてはいけないだろうが、一般市民が戦闘に巻き込まれて命を落とすということは、本来あってはいけない境遇のはずである。ところが、2025年になったいまでも地球上では戦争が続いており、市民が巻き込まれるという悲劇が続いている。

日本が他国から攻撃をうけ、都内を砲撃されて数百人の死傷者がでたという状況を想像できるだろうか。もちろんいまの日本を取り巻く政治状況を鑑みれば、そうした事態に陥ることはほぼないのだが、世界にはいまだに市民が巻き込まれて兵士とあわせて約1000人が死亡という現実がある。

いかに戦争が悲惨なものであるかを国の指導者たちは心の底から理解する必要があるし、政治目的で武力を使ってはいけないことを肝に銘じなくてはいけない。いつの日か、地球上から戦争・紛争がなくなることを願っているが、叶う日は来るのだろうか・・・。