アメリカンドリームは過去のものか?

アメリカンドリームというものはまだあるのだろうか。

米ウォールストリート・ジャーナル紙とシカゴ大学の全国世論調査センター(NORC)が共同で行った世論調査によると、2012年には回答者の53%が「まだある」と答えていたが、最新の調査では36%だけがアメリカンドリームを信じていることがわかった。

一生懸命働けば、人種や年齢などに関係なく、どんな人でもアメリカンドリームをつかむことができるとの思いが以前はあったが、そうした思いを抱く人は年を追うごとに減ってきている。

同調査では、政治的な側面だけでなく、米国の経済的脆さが際立ってきていることもわかった。しかも若い世代にアメリカンドリームへの猜疑心が強いという結果が出た。65歳以上の人は48%が今でもアメリカンドリームを信じているが、50歳未満では28%という数字である。

また「自分たちの子どもの世代は今よりも生活が豊かになっているか」との質問では、たった19%だけが良くなっていると回答した。この数字は同調査が1990年に始まって以来、最低である。

今でも世界中から夢を抱いてアメリカにやってくる人たちは多いが、アメリカンドリームが失われている現実をどう受けとめるのだろうか。